水面下では北朝鮮の転覆工作、ゲリラ部隊の侵略も…日韓情報当局が警告する韓国大統領“ご乱心”の裏側



暴走は本当に「陰謀論」が原因か?

実際に戒厳令が出された直後、尹大統領の命令を受けた韓国の軍隊は選挙管理委員会にも突入している。

「北朝鮮による不正選挙というのは、韓国の右派系政治ユーチューバーが主に唱えていた説です。不正選挙説は『陰謀論』『フェイクニュース』に過ぎないといわれてきたのですが、韓国ではマスメディアよりも政治系ユーチューバーの影響が強く、その閲覧者の間では真実だと信じられています。実は、尹大統領もその1人で、右派系のユーチューブを熱心に見ていることが以前から問題視されていました。戒厳令の原因も『ユーチューバーの影響説』が最も真実に近いのではといわれているほどです」(大手紙外信デスク)

にわかには信じ難い話だが、尹大統領が「陰謀論」に染まって戒厳令宣布で暴走したと片付けてしまっていいのだろうか。

検事総長から政界に転じ、2022年の大統領選では左派の李在明氏を破って当選した尹氏は、中国ベッタリで北朝鮮とも親密だった前政権の文在寅大統領の路線とは正反対に、保守系の大統領として中国や北朝鮮と距離を置き、アメリカとの連携に活路を見出した。

その一環として日本との関係も急速に改善し、「過去の歴史認識」にこだわっていたこれまでの韓国の政権とは一線を画していた。

つまり、中国や北朝鮮にとっては最も嫌な存在だというわけだ。

これに対し、共に民主党は北朝鮮との親密な関係で知られる。

尹大統領の弾劾訴追案の理由にも「尹政権は中国やロシア、北朝鮮と仲良くせず、日本を重視するという異常な外交政策を行った」と強調している。

彼らにとっては北朝鮮と仲良くするのが正義で、日本と仲良くするのが悪ということなのだ。