「勇気を振り絞って踏み出したから今がある」FREEDOMSを守り抜く佐々木貴が明かす仲間との“血よりも濃い結びつき”



激しすぎるファイトで客を魅了

そんな中、セミファイナル前で行われた「KING of FREEDOM WORLD TAG CHAMPIONSHIP」のタイトル戦で挑戦者の佐々木が岩手・一関の後輩YAMATO(DRAGONGATE)と組んで勝利を収め、ベルトを手に入れている。

「自分が今この年でベルトを巻いたことで、おっしゃーというレスラーの本能的な喜びもあるんです。でも、一方で若手の壁とならなきゃ…という団体代表としての考えもやっぱり湧いてきてね(笑)。ただ、気持ちは若くても、身体は衰えてきているんですかね。先日の試合中にギックリ腰をやりまして。立てなくなってマズイと思ったんですが、一週間でリングに上がれるようになった。僕はデスマッチをやっていても大きな怪我をしたことがない。何度も言いますが、僕は運がいいんです。運だけでここまで来られましたから」

佐々木には運があるという。

そして、その始まりを想えば、背水の思いで団体設立を切り出したあの渋谷の喫茶店の光景が蘇る。

「大きな賭けでしたよ。あの喫茶店で、『もういいよ』と言うやつが一人でもいたらFREEDOMSはなかったんですから。それなりにドキドキしていたんです。あのとき、勇気を振り絞って一歩を踏み出し、全員がやろうと言ってくれたから今があるんです。あのときの思いがずっとあるから、続けられるんでしょうね。仲間を信じていますから」

15周年を迎えたダムズは、異質のプロレス団体である。

その激しすぎるファイトで客を魅了し、多くの熱狂を集めていること。そして、その中心にいるレスラーたち。あのとき、生きるために立ち上がろうと誓った選手たちは、今もなお、血よりも濃い結びつきでリングに立ち続けている。(完)

FREEDOMS大会予定
12/25(水)葛西純プロデュース『Blood X'mas 2024』後楽園ホール大会
※18時30分試合開始予定
※チケットぴあなどで販売中

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」12月26日号より