「勇気を振り絞って踏み出したから今がある」FREEDOMSを守り抜く佐々木貴が明かす仲間との“血よりも濃い結びつき”

佐々木貴
突き抜けた男たちの魂の叫びを届ける、新連載「死ぬ前までにやっておくべきこと」。第3回となる今週も先週に引続きプロレスリングFREEDOMS代表の佐々木貴氏に話を聞いた。

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デスマッチのカリスマであり、生きる伝説とも呼ばれる葛西純は、「リングを降りて生きて家に帰って子供の寝顔を見るまでがデスマッチ」との言葉を残した。

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だが、FREEDOMSというプロレス団体の代表も兼務する佐々木貴は別の言葉を呟く。代表たるもの、生きて家に帰る前に、リングに散らばったデスマッチゴミを産廃業者に手配し、精算と請求書作成に振込作業…リングのデスが終われど、事務作業のデスが待っている、と。

「もちろん自分が一番強いと思っているから、プロレスラーをやっている。チャンピオンベルトも巻いて、血の沸騰するような試合もやれて…でも、いつからだったんだろう。それだけじゃダメだと思っちゃったんですね。プロレス団体を引っ張る人間には2通りあると思うんです。理想はその人自身が圧倒的な光を放つスーパースターでしょう。だけど、僕はそうじゃない。縁の下でみんなを支えるタイプだと早々に気が付いてしまった。光。それは葛西純ですよ。僕は代表として、その光がより輝くように注目してもらうこと。俺だって負けてねえし…というレスラーとしての思いはありますよ。でも一方で、葛西は期待以上に強烈な光を放ちながら会社を大きくしてくれた。メチャクチャ矛盾して複雑な思いですけど、僕の選択は間違いじゃなかったとは言えますね」

レスラーと社長。佐々木貴には2つの相反する意識が常にある。

だが、それは結局、同じであることに気が付く。