「勇気を振り絞って踏み出したから今がある」FREEDOMSを守り抜く佐々木貴が明かす仲間との“血よりも濃い結びつき”



100歳になっても200歳になっても続けたい!

新型コロナが最も厳しかった2021年9月。プロレス界全体が明日の見えない闘いを強いられるなか行われた、佐々木貴デビュー25周年記念大会。そのメインで平田智也に敗れた佐々木は、試合後のマイクで自然と叫んでいた。

「このFREEDOMSというプロレス団体がなくなれば、俺はきっぱりこの業界から消えます。FREEDOMSと佐々木貴は運命共同体です。この団体がなくなってまで、レスラーを続けたいと思いません。だから、FREEDOMSを一生をかけて、力づくで命懸けで守り抜きます。みんなの支えがあって、まだ大好きな仲間とやれている。この環境を俺は100歳になっても200歳になっても続けていきたい。皆さんには変わらず応援してほしい。そしてFREEDOMSにもっと幸せになってほしい!」

30年前。プロレスで命を燃やすような戦いをしたいと願い上京してきた細っこい青年は、プロレスと同じく命を懸けられる仲間と場所を得ていた。

佐々木は来月で50歳となる。

「不思議なもんですよね。単なる憧れで始めたプロレスが、本当に仕事になって、自分についてきてくれる選手たちにも、戦える場にも恵まれ、自分のかわいい家族も養えて。こんな幸せなことはないですよ。だから、俺は命を燃やせる。この団体の選手はプロレス界の中で誰よりも痛い思いをしてきた。それだけの思いに報いてあげられるように、一人でも多くの人に試合を見てもらうこと。引退後に頑張った分報われたなと思えるぐらい、家が建てられるぐらいのお金を稼がせてあげたいんですけどね。今はまだ全然。全然できていないんですけどね」

今年9月15日、FREEDOMSは15周年記念大会を盛況のうちに終わらせた。

メインでは杉浦透が王者の竹田誠志を破ると、怪我で長期離脱していた平田智也も復帰戦を飾るなど、30代の中堅選手も着実に中心選手へと育っていることをうかがわせた。