「野球toto」「NPB球団拡張」「アジア進出」SB・王球団会長と巨人・山口オーナーの構想がリンク 来年にも法改正の見通しか

「CS」を見直し「アジアリーグ」を開催

特筆すべきは、王会長が描く新たな構想に台湾、韓国のプロ野球との連携が含まれていることだ。

将来的には米メジャーリーグに対抗して「アジアリーグ」開設を目指すが、その前段階として取り組むのが、日台韓3国でのプレーオフだという。

今季のプロ野球は、セ・リーグが巨人、パ・リーグはソフトバンクが2位の日本ハムに13.5ゲームの差をつけ、ぶっちぎりの優勝。しかし、CS(クライマックスシリーズ)でセ3位のDeNAが勝ち上がり、日本シリーズに進出。その勢いでパ王者のソフトバンクを破り、26年ぶりの日本一に。この頂上決戦の在り方をめぐっては、賛否両論が巻き起こっている。

ソフトバンクの孫正義オーナー、王会長は“CS見直し派”だ。日本シリーズは本来のセ、パの王者対決に戻し、併せてアジアシリーズを開設してはどうかと考えているという。

また、NPBのCS覇者が台湾、韓国の王者とアジア王者のタイトルを懸けて戦う。11月に行われた4年に1度開かれる世界大会「プレミア12」で、台湾が日本を破って初優勝したことが追い風になっている。

台湾、韓国も日本同様に政府が監督してスポーツ振興くじを実施している。日本との違いは、プロ野球も対象種目に入っていること。

「超党派でつくるスポーツ議連は、来年の通常国会でスポーツ振興投票法を改正し、プロ野球を種目に追加する法案提出の準備を進めている。予定では’26年からの実施で、日台韓のプロ野球くじがそろい踏みし、相乗効果は計り知れない」(国会議員秘書)

巨人が主導する形でスポーツ振興くじの「野球toto」追加が確実となり、それを財源に「球団拡張」と「アジア進出」が着々と進んでいる。

米大リーグの植民地化が懸念される中、日本プロ野球の本気の反撃が始まった。

「週刊実話」12月19日号より