“中国ビザ免除再開”に現地駐在員から溜め息 出張者へのアテンド増加で漏れる「O・K・Y」という本音

日本人向け夜遊び市場も復活!?

現役の現地駐在員が戦々恐々としていることがもう1つ。アテンドでお約束の夜遊びだ。

ところが、2019年12月初旬に中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されて以来、ほぼ5年近く中国政府はすべての入国者にビザを要求。中国現地への物見遊山的な出張も控えられてきた。

そんな溜まりに溜まったアテンド欲を引き受け取るのも、悲しいかな駐在員のお仕事なのである。

中国現地の日本人コミュニティには必ず日本語のフリーペーパーがあり、『特選タウン情報』も顔負け、スキンレス春川先生もビックリの夜遊び広告が、相変わらず掲載されている。

社会監視システムが強化され浸透する一方でたくましく営業中。「毎日違うコスプレでお出迎え」「誘惑的な制服」「セクシーなチャイナドレス」「毎週金曜日は学生服DAY!」などキャッチフレーズが並ぶ。

「4年以上もまともに(出張に)来れなかった分、半年は業績にプラスの影響があると思います。飲み代はほぼ経費で落とすわけですが、日系企業はどこも渋くなってきているようです。とはいえ円安です。ひと晩で1人4~5万円以上はかかるKTV(個室カラオケ)は高すぎて、1万円以内で収まるガールズバーに業態を乗り換えた店も少なくありません」(上海のフリーペーパー営業担当者)ましてや、日本にある昔ながらの“中国スナック”は最近、中国人富裕層のインバウンド客狙いに宗旨替えしたようで、貧乏サラリーマンは相手にされなくなった。日本側にとって、中国ビザ免除再開は、若くて綺麗な中国人ホステスと戯れる絶好のチャンス、といったところか。

前出した、本帰国直訴予定の中堅商社勤務の40代男性はこう呆れる。

「出張が決まった日本の上司から『そういう費用は日本で負担するから』とメッセージが入りました。しばらくご無沙汰だったWECHAT(微信/中国版LINE)経由。『旧正月前に視察をしておきたい』と慌てているようですが、ホステスの連絡先満載の中国専用アプリを再開してもう遊ぶ気満々ですよ」

「しばらく行けなかった」と思っている日本側と「そもそも迷惑」と思っている中国側。アテンドされる側とする側。お互いの溝は埋まらない。

取材・文/ROADSIDERS 路邊社