“中国ビザ免除再開”に現地駐在員から溜め息 出張者へのアテンド増加で漏れる「O・K・Y」という本音

本音は「O・K・Y」=「おまえが来てやってみろ」

中国大使難のHPより
「おもてなし」という名の、権謀術数うずまくアテンドの現場は、悲劇であり喜劇でもある。移動手段の手配に始まり、ホテルやレストランの予約、現地観光の計画など、多岐にわたる準備が必要になる。しかも本来の業務以外に時間とエネルギーを割くことになるから、担当者の負担が増大するという仕組み。

読者諸兄のなかには、中国でアテンドされる機会に恵まれた出張者がいらっしゃるだろう。その際にはぜひ「O・K・Y」を知っているか否か、担当者に質問することをおすすめする。

「O・K・Y」とは、「O:おまえが」「K:来て」「Y:やってみろ」の略。現地駐在員の隠語である。以下、現役現地駐在員の偽らざる本音を集めてみた。

「通訳として帯同させた女性スタッフが『気が利かない』と難癖をつけられた。日式カラオケ店に繰り出す晩飯後に、毎回『じゃあ今日はこのへんで。タクシー帰宅していいよ』と通訳に頭を下げるこっちの身にもなってみろ。エロ爺に態度が悪いのは当たり前」(広告代理店40代)

「アテンドは基本、通常の業務時間外で対応させられている。本社で残業削減の号令をかけている張本人はあんただろ。ローカル社員に一番嫌われているのは出張者」(流通30代)

「出張毎に美食レベルを上げてくるのは止めてほしい。こっちはアテンドのせいで年間100日以上が中国料理。北京ダッグを見るだけで吐き気がする。たまには胃にやさしい日本料理店で許してほしい」(金融50代)

なかには、こんな切羽詰まった意見も。今年9月、中国・深センで日本人学校に通う男児が襲われ、死亡した事件を受け、

「うちの駐在者は“注意喚起”だけです。今年の12月3日『南京事件』の日は、娘の通う日本人学校は休校です。残りの日本人学校もオンライン授業に切り替わるそう。最近は毎日のように無差別テロも発生しています。こんな国に『注意喚起』した本人がのこのこ視察にやって来るなんて…。社命で着任した駐在に対して家族帯同が自己責任という態度なら、本帰国を直訴します」(中堅商社40代)