永田町では予定調和と評判に 第2次石破政権発足で急浮上した自民党&立憲民主党の「大連立」構想



国民民主とは「やってる感」を演出

全国紙政治部デスクはこう語る。

「税収が減るという試算はいずれも財務省によるものです。立憲の野田佳彦代表は旧民主党政権で首相のほか財務相も務め、財務省ベッタリの政治家です。財政規律派であり、将来的に消費税増税は避けられないと思っています。財務省としては大連立を実現させて、消費税増税と財政健全化を進めたいと考えています。財政出動を強く求める旧安倍派が数多く落選した今こそ、財政再建を進める好機と思っていることでしょう」

自民党関係者は「個別政策ごとに国民民主の顔色を窺うより、野党第1党の立憲にしっかりと責任の一端を担わせるほうが、政権運営は安定するのではないか」と国民民主切り捨てをにおわせる。

それなら今のうちに国民民主と手を切り、立憲と大連立を模索する手もあるが、それをしないのには理由がある。

「政治改革をめぐり立憲は企業団体献金の禁止を訴えているのに対し、国民民主はこれに否定的です。企業団体献金を禁止したくない自民は国民民主と一緒になって政治改革に取り組み、『やってる感』を演出し、企業団体献金の禁止は免れたいというのが本音です」(政治部与党キャップ)

では、立憲との大連立は実際に実現するのか。

遡ること17年前の2007年秋。旧民主党が政権交代を果たす前のことだ。実は、このときも大連立構想が浮上している。

「衆参ねじれ国会」のもと、当時の福田康夫首相(自民総裁)は、民主党の小沢一郎代表に大連立を持ち掛けた。

党首会談で小沢氏はこれを受け入れたものの、党に持ち帰ったところ反対の大合唱に遭い、頓挫した。

このとき大連立に反対した1人が野田氏である。

当時は政権交代が見えていたため、自民とわざわざ連立を組んで、自民の延命に手を貸す必要はないとの声が大勢だった。