広東省「車暴走事件」で発覚した中国にはびこるデマ拡散と犯罪記録改ざんのあきれた“裏事情”



またしても「35人」以下というデマ拡散

「重大な事件の当局発表は、なぜいつも『35』なのか?」という投稿(中国のSNSより)
中国SNSユーザーが警察発表に不自然さを感じた点はもう1つあったようだ。

それが死者「35人」という数字だ。

「なぜ、いつも中国で起きた重大な事件の死者数は35人以下なのか。警察幹部の保身のために“調整”しているのではないか」という内容で、ご丁寧に<1993年4月、遼寧省大石橋市:列車と大型バスの衝突事故、35人死亡>から始まり、<2011年7月、温州:高速鉄道事故、35人死亡>まで、「死者35人以下」の事件が20件以上も羅列されていた。

しかしながら、すぐにデマと判明している。いくつもの例で35人以上死亡の発表がなされているだけでなく、実際の死亡者数と合ってない例も多く指摘されたからだ。

また、死亡者数の“調整”疑惑もあっけなく覆され、35人以上の死傷者がでた事件後に、出世した政府幹部の例も示された。

とはいえ、中国当局の発表を鵜呑みにしてはならない。中国の派出所(日本の「交番」)に関するエピソードを紹介したい。

読者諸兄のなかで、近所にある交番の“お巡りさん”の携帯電話番号を持っている方は何人いるだろうか? いたとしても、そうした方は極めてまれと言えるだろう。

しかし、中国は事情が異なる。ほとんどの中国人はこれを持っているのだ。いや、持たされていると表現したほうが正確だろう。

「近所を巡回する馴染みの警官から『110番する前に、自分の携帯電話に連絡をするように。そのほうが対応が早いから』と教えてもらっているのです」(香港紙記者)