広東省「車暴走事件」で発覚した中国にはびこるデマ拡散と犯罪記録改ざんのあきれた“裏事情”

事件発生直後の現場の様子(中国のSNSより)
11月11日午後8時頃、中国南部・広東省の珠海市にある屋外スポーツ施設「市体育中心」で、施設利用者らのグループに車が突っ込み35人が死亡した(同市公安局発表)。

集団で歩く人々に後ろから高速でぶつかっていった直後の凄惨な光景は、中国SNS上でまたたく間に拡散。ジョギングコースやグラウンドと思われる地面に被害者が横たわり、靴が散乱した様子に「なんて悲惨な事件だ」「犯人を厳罰を!」「治安を強化せよ!」のコメントが相次いだ。

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最近中国各地で、頻繁に子供や群衆を無差別に狙ったとみられる事件が相次いでいる。

今年9月、深センの日本人学校へ登校中の男児が刺殺された惨事は記憶に新しい。

痛ましい深センの事件は、地元警察が「無職の前科者が単独で行った」旨の発表をしたっきり。その後、有力な続報が一切出てこないのは、増殖し続ける“無敵の人”が抱く動機の土壌に、経済の減速により蓄積した社会不満があるのは明らかだ。

今回、珠海市の事件を起こし拘束された62歳男性が“無敵化”した背景は、離婚後の財産分与の結果に対する不満だという。

中国SNS上では、裁判所の判決への憤りだという見方も散見される。

犯人の動機をいち早く公開した地元警察の通知
この動機は、地元警察の珠海市公安局が正式に発表したものだ。

さらに『警情通報』によると、男は車内で刃物を使って自殺を試みた際に首に重い傷を負ったため、意識が無い状態で病院に運ばれ、現在も緊急治療中だという。

取り調べは不可能な重体にもかかわらず、事件発生わずか1日後に、動機が判明しているのは不自然だ。