中日「落合竜2.0」に舵 井上新監督就任で星野派一掃 20年前の“オレ流野球”復活へ

新人事には落合信奉者も

このように“井上竜”の後ろ盾は落合氏。そのためか球団は、星野仙一氏の流れを汲む“立浪一派”のコーチ陣の一掃に着手。片岡篤史ヘッド、落合英二投手兼育成コーチ、和田一浩打撃コーチ、大西崇之外野守備走塁コーチ、上田佳範打撃コーチが退団。ほぼ全取っ替えの様相を呈したほどだった。

スポーツ紙の記者が新たな布陣をこう語る。

「井上監督の要望もあり、落合投手兼育成コーチだけは呼び戻して2軍監督に招聘したが、新たな打撃コーチには松中信彦氏、野手総合コーチに飯山裕志氏を招聘。また、投手コーチに小山伸一郎氏、田島慎二氏、外野守備コーチとして平田良介氏、育成コーチに小林正人氏が、それぞれ就任したほどなのです」

この中でも井上監督の就任時からすでに“内定”が噂されていた松中打撃コーチは、現役時代にソフトバンクで活躍し、’04年に三冠王に輝いた実績を持つ。落合氏との因縁も深いという。

「あまり知られていないが、松中氏の打撃面の師匠は王貞治球団会長ではなく、三冠王3回の落合氏。行き詰まった折には助言を仰いだそうです。つながりがない中日のコーチに就くのは、落合氏との関係があればこそ。細川成也を覚醒させた和田コーチが退団するが、球団としては三冠王が後任ならファンも納得するはずとそろばんを弾いているようです」(同)

また、'05年の高校生ドラフトで中日に入団し、現役生活を中日一筋で過ごし昨年末に引退した平田外野守備コーチは、実は落合信奉者だ。

「'05年の高校生ドラフトで、中日は早々と1巡目から平田氏の指名を宣言したが、これはバッターとしての素質を見抜いていた落合氏の思惑が働いていたとも言われている。また、落合監督時代にはバントや守備、走塁も認められ、重宝された。そのため、松中氏とともに“落合竜”回帰への大きな推進力になると期待されているのです」(前出・放送局幹部)