「共感内閣」とは笑止千万! 石破自民で分裂抗争が激化 解散総選挙で高まる自公「過半数割れ」の危機



一世一代の「復讐劇」

また、村上氏は雑誌『月刊日本』10月号のインタビュー記事でもこう話している。

「現在の日本や自民党の危機は安倍政権がもたらしたものだということです。危機の根源は『安倍政治』にある。そうである以上、自民党は今回の総裁選を機に安倍政治の検証、裏金問題の解明と責任追及に踏み切り、『安倍政治からの脱却』を実現すべきです」

これには旧安倍派の議員が「安倍氏と国家観の違いがあるにせよ、安倍氏亡き後も鞭を打つような発言をして許せない」と激怒。党内対立が先鋭化している。

閣議前に集まる首相官邸や国会の応接室の席順では、ナンバー2とされる首相の左隣は中谷元防衛相、ナンバー3の右隣には村上氏が陣取った。村上氏はまさに首相が送り込んだ「令和の爆弾男」と言ってもいいだろう。

村上氏を閣僚の中でも「総務相」にしたのも訳がありそうだ。石破氏と決選投票で争った高市氏は安倍氏を慕い、前々回の総裁選で安倍氏は高市氏を支援している。その高市氏は総務相時代、政治的公平性を欠く放送法違反を繰り返した放送局に電波停止を命じる可能性に言及している。

政治部デスクは「石破首相は村上氏に対し、高市氏の総務相時代の言動を徹底的に調べさせるのではないか。高市氏は『幹事長なら引き受ける』と話していましたが、首相が幹事長を打診することはなかった。政治家として失脚させることを目論んでいるのだろう」と読んでいる。

ただ、こんなことをしていては10月27日投開票とされる衆院選で安倍氏を支持してきた岩盤保守層が自民党から離れるのは自明の理。早くも高市氏の支持層からは自民を離党し、新党結成を求める声が出始めているが、石破氏も岩盤保守層が離れていくことを分かった上で、旧安倍派にケンカを売っているフシがあり、一世一代の「復讐劇」と言っても過言ではない状況なのだ。