手のひらを返しの解散で野党を挑発

総裁選を勝ち抜き、首相に就任した石破氏は「新内閣の信任を問いたい」と明言。10月9日に衆議院を早期解散し、10月27日投開票で総選挙を行うことを表明したが、「石破氏で総選挙がどこまで勝てるかは不明。ご祝儀相場見込んでも自公で過半数を取るには、苦戦は免れないかも」との声も渦巻いている。

理由は、前述した党内の内部分裂が尾を引いていることに加え、地盤の脆弱な石破政権に野党からの功勢が強まる可能性が高まっているからだ。

全国紙政治部デスクはこう話す。

「自民党総裁選の4日前に行われた立憲民主党代表選では、小沢一郎衆院議員を後ろ盾とする野田佳彦元首相が代表の座に就いたが、小沢氏が野田政権時に消費税増税をめぐり対立していた野田氏と手を握ったのは、自民の裏金問題で政権交代の千載一遇の機会とみたから。日本維新の会や国民民主党は枝野幸男元代表との連携に拒否反応を示し、野田氏となら連携できるとの姿勢を示していたためなのです」

また、石破氏は総裁選を勝ち抜いたときには「すぐに解散はしない」と話していたが、その後、手のひらを返すように早期解散に舵を切った。これが野党の怒りを買っているのだ。

「野田氏は『言ってきたことを守っていない』と指摘し『議論に向き合う政治家だと思っていたが、とっとと逃げてしまうことに対し、深い失望を覚えている』と痛烈批判。さらに日本維新の会の馬場伸幸代表は『戦う前から逃げている。敵前逃亡内閣』と皮肉ったほど。立憲民主党の野田新体制は実質的には小沢氏が実権を握っているが、小沢氏がこの機を見逃すはずはない。立民、維新、国民民主の連携と3党連立政権の樹立に向けて動き始めることは必至です」（同）

内部分裂状態の自民に“壊し屋”が一気に攻勢をかける。果たして、政権交代となるのか、その答えは総選挙で明らかとなるはずだ。

「週刊実話」10月17日号より内容を一部変更