「総理は財界のちょうちん持ち」自民党の政治献金を痛烈批判した青島幸男のスーダラ人生

青島幸男
青島幸男は放送作家として『おとなの漫画』や『シャボン玉ホリデー』など人気番組に携わり、自身も画面に登場して「青島だァ!」のギャグで人気を博す。さらに俳優として『意地悪ばあさん』にも主演した。

作詞家としては『スーダラ節』や『明日があるさ』などヒット曲を連発し、初の小説『人間万事塞翁が丙午』で直木賞を受賞。その多才ぶりで青島に比肩する者は、なかなか見当たらない。

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青島が書いたコントを演じ、作詞した曲を歌唱した植木等によると、そもそも無責任男のキャラクターは青島自身がモデルのようなもので、若いときから荒唐無稽なことばかりを語っていたという。

1968年の参議院議員選挙では全国区から無所属で立候補し、選挙活動をまったく行わずに当選。このことに関して「自分はテレビでの知名度があって当選できた。選挙の立候補者も放送を通じて政見を述べればよい」と青島が提案したことにより、政見放送が実施されるようになったという逸話も残っている。

国会議員となってからも歯に衣着せぬ物言いは相変わらずで、1971年3月29日、参議院予算委員会の質問では、自民党に対する財界からの政治献金の多さを批判。当時の佐藤栄作首相を「総理は財界のちょうちん持ちで男めかけである」とぶった斬った。

この発言については自民党から懲罰動議が出され、発言そのものが議事録から削除されたというから、よほど痛いところを突かれたのであろう。