小沢一郎氏と野田佳彦氏「民主党を壊した2人」が歴史的タッグを結成

「月末にまた飲もう」

小沢氏は7月9日、記者団に対し、都知事選で立憲民主党と国民民主党が別の候補を応援したことを「仲間内さえまとめきれない」と痛烈批判。9月の代表選で泉氏が続投した場合には「沈没じゃねえかよ」と息巻いたのだ。

政治部デスクがこう語る。

「党内が動揺している間隙を縫って主導権を握ろうとの狙いでしょう。実際、ここにきて小沢氏の動きは活発化しています」

中でも周囲を驚かせたのは、7月19日夜の野田氏との会食だった。

「旧民主党政権末期、首相だった野田氏は消費税増税に取り組み、小沢氏は猛反発した。結果、小沢氏の新党結成で民主党が分裂し、以来、犬猿の仲だったはずなんですが…」(同)

そんな周囲の心配をよそに臨んだ会食では、当然ながら代表選のことも話題に上り「月末にまた飲もう」と約束を交わすほど興が乗ったという。

民主党を崩壊させたA級戦犯2人が歴史的和解をして手を握り、党再生に立ち上がるとは何とも皮肉な話。だが、小沢氏にはそうしなければならない理由があったとみられている。

前出の政治部記者が指摘する。

「小沢氏は、次期代表選で誰を推すか決めかねていた。出馬の意欲を示し、小沢氏に接近していた小川淳也前政調会長では小粒すぎるし、元祖・反小沢議員の枝野幸男前代表は、もちろんNG。結局、党内を見回した場合、野田氏しかいなかったということなのです」

ただ、野田氏を選んだ理由はそれだけではないという。

立民関係者がこう語る。

「ここにきて、自民党の次期総裁には、石破茂元幹事長を押しのけて小泉進次郎元環境相が有力視されている。だが、小泉氏は政治経験が浅く、首相としては政権運営に不安がつきまとうし、政策にも弱い。そこで小沢氏は、次期衆院選で『人気は高いが不安の残る小泉氏』と、『首相経験者で政策に明るい野田氏』を有権者に比較させようと考えたのです」