「第2次朝鮮戦争」開戦秒読み 米韓日VS中露朝、全面衝突の恐れも

世界の戦場ではドローンが主役になりつつあるが…(画像はAIで生成したイメージ)

ロシアのプーチン大統領が、6月19日午前2時22分という“丑三つ時”に、北朝鮮・平壌国際空港に降り立った。

まさに死神のお出ましだ。出迎えた金正恩総書記は、訪朝したプーチン氏と10時間を超える会談を行った。

翌20日、朝鮮中央通信は正恩氏が、プーチン氏と19日に交わした「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を伝えた。

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この新条約の第4条には『一方が武力侵攻を受けた場合、すべての手段で軍事や他の援助を提供する』という条文がある。

正恩氏が首脳会談後の共同記者発表で満面の笑みを浮かべていたのは、米韓軍を恐れる必要性が薄らいだからだ。

「第4条は、北大西洋条約機構(NATO)の第5条(集団防衛)とほぼ同じ内容で、軍事同盟の性格が強く表れているのです」(外交関係者) 

また、共同宣言文には貿易の促進、宇宙・原子力を含む科学技術分野での協力拡大なども記されている。

具体的には、ロシアからは日常品、食糧、原油などのほか、偵察用衛星関連の技術支援を、北朝鮮側からはロシアに弾薬やミサイルなどの武器を供与するという。

「プーチン氏は、昨年9月13日にロシア極東のバイコヌール宇宙基地で訪露した正恩氏をもてなし、ロケット発射台などを紹介してみせている」(全国紙外信部記者)

それから約8カ月後の今年5月、北朝鮮は新型エンジンを搭載した軍事偵察衛星の打ち上げに踏み切った。

「新型エンジンはロシアが大型ミサイルに使用していると思われるシロモノ。打ち上げは失敗に終わりましたが、周辺諸国はロシアから本当に技術供与を受けた可能性が高いことに驚きを隠せませんでした」(同)

今後は、米韓連合司令部と類似の「朝露連合司令部体系」を設けて両国が一緒に作戦計画を立て、米韓共同演習のような定例軍事訓練を実施する可能性もある。

「ただし、正恩氏は朝露首脳会談後のメディア発表で、両国関係を3度にわたって『同盟』と強調したのに対し、プーチン氏は『パートナーシップ』と抑制した表現をしており、正恩氏との温度差を見せているところが気になる点です」(前出・外交関係者)