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ジャパンバッシング吹き荒れるMLBの断交宣言か 「タンパリング規定の強化」が日本プロ野球界に与える大きな影響

Alan Tan Photography
(画像)Alan Tan Photography/Shutterstock 

「泣きどころを突かれた。大谷翔平が10年総額1015億円、山本由伸も12年455億円でドジャース入りし、財力の弱い球団からジャパンバッシングの動きが出ていた。報復がこんな形で現れるとは…」

そう話すのは、とある国内球団のフロント幹部。話の趣旨は、タンパリング(事前交渉)規定の強化だ。

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日米選手の所属球団と相手国球団の不法な交渉や接触を防ぐためとされるが、タンパリングにはシステムやデータを不正に改ざん、あるいは内部データを搾取する行為も含まれる。実はこちらが本筋だ。

投球や打球を解析し、球速、回転数、打球角度などの計測するトラックマンは、米軍のパトリオットミサイルに使われる弾道ミサイル追尾システムが発祥。MLB球団は、その情報から統計学を使って分析する「セイバーメトリクス」という手法を編み出した。

この企業秘密を日本球団が共有していることを疑問視して、不公平と質しているのだ。

ドジャースの違法賭博問題が引き金に?

日本の各球団はトラックマンやホークアイを整備し、独自にデータを計測している。

しかし、その解析情報は全球団が共有する方式のため、一歩抜け出すにはMLB球団の最新分析術が必要。入手の有無がそのまま選手、チームの成績に直結している。

「要はNPB球団が恩恵に預かりながら、高額で選手をMLB球団に売り付け、多額の譲渡金を得ているという言い分。そこでMLBは日米球界の関係性を解消し、解析データの流出を閉ざそうとしている。日米双方の球団職員の人的交流をやめ、知見の共有を防ぐ。通達が大谷の元専属通訳・水原一平氏の違法賭博問題が発覚した直後だったことを思えば、この一件が引き金になったのでしょう」(スポーツ紙記者)

通達に伴い、今後はヤンキースGM付特別アドバイザーの松井秀喜氏、マリナーズで会長付特別補佐のイチロー氏、パドレスでアドバイザーを務める野茂英雄氏の日本球団での臨時コーチは、MLB球団職員の肩書がある限り困難になる。

また、ドジャースの大谷、山本、パドレスのダルビッシュ有、カブスの鈴木誠也、今永昇太、レッドソックス吉田正尚など日本人メジャーリーガーとNPB選手の合同自主トレも違反となる。

さらに頭が痛いのが、日米球団のコーチおよびゲームアナリストの交流禁止。データ解析の知見共有がNGになったからだ。