ウエストランド (C)週刊実話Web
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「河本のこと、全然すごくないって書いといてください」相方のいいところを言うのだけはNG【ウエストランドインタビュー】


ウエストランド (C)週刊実話Web

井口「毒舌という意識では作ってないんです。そのとき、思ってることやムカついてることをウケるようにネタにしてるんで、皆さんホントに〝毒のカリスマ〟とか思われてたら申し訳ないんですけど、全然ですよ。ただただ過激なことだったり、ブラックなことが言いたいわけじゃないし、そこに面白さを感じないので。だから、コンプライアンス順守とかまったく苦痛に思わないですよ」

――実は絶妙なバランス感覚なんですね。M-1優勝時に松本人志さんが「こんな窮屈な時代でもキャラクターとテクニックさえあれば、毒舌漫才も受け入れられるって夢を感じた」ってコメントされてましたが、分かるような気がします。


井口「何よりちっちゃい人間ですからね。こんなヤツが言ったところで、みんな何も思わないですよ。お前の人生のほうが何倍もかわいそうだろって(笑)。そりゃあ、体格にも恵まれたイケメンが言ったら角が立つとは思うんですけど、もしそうだったら、そもそもそんなネタになってませんから」

――M-1グランプリ2022最終決選のネタで〝ユーチューバーが逮捕され始めている〟というくだりは、会場が引く可能性を考えましたか?


井口「そこは100%ウケると思ってました。その感覚が芸人の勝負どころだと思ってるんで。テレビだと6票もウエストランドに入ったのが不思議に思った人もいると思いますが、現場の空気はそんな感じだったと言ってくれる人は多かったです。ただ、その直後の仕事で、『では竹野内豊さんに毒舌どうぞ!』みたいなのはありましたね(笑)。愚痴の時事ネタという感じなので、例えば、ユーチューバーのくだりはもうウケませんよね。だからネタが残っていかないつらさはあります」

――ウエストランドの野望は?


井口「テレビにたくさん出たいですね。好きで入ってきてるわけですから。とにかくテレビにたくさん出れるように、一つずつしっかり結果を出していくしかないと」河本「僕もやる気がないわけじゃないんで、テレビには出たいですね。なるべく長く使ってもらえるように、できることは一生懸命やりたいです。多くは望まないんで消えないように。深酒もしないように」

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――ポンコツもポンコツで味がありますしね。


井口「いや、そこはうまくやってもらったほうがいいですよ、もちろん(笑)。うまくできないのがいいみたいなタイプでもないし、天然みたいなキャラでもないし。普通にみんなをイヤな気持ちにさせているだけなんで」

――そういう意味では逆に唯一無二ですね。


河本「そんな唯一無二はいらないですよ(笑)。できないのはイヤなんですけど、受け入れるしかないというか。ホントにすぐサボっちゃうし、逃げちゃうし。努力できる人も才能ですよね。でも、なんとかしてくれるんで」

――図太い感じのようで、そうでもないんですね。


河本「メンタルはとにかく弱いですね。ただ、運よく顔に出ない見た目なので。手が震えないように体の前で手を握って、足の震えがバレないように太めのパンツを穿いて」

河本太 (C)週刊実話Web

井口「皆さん僕らにドラマを求めがちなんですけど、幼なじみだから、同級生だからコイツを助けてやろうとか、そういうのは一切ないですよ。別の番組でポンコツ芸人が一緒だったら同じように助けるし、それはウケるためにやってるだけなんで。ここ、絶対エモい感じで書かないでくださいね。僕は基本NGないんですけど、相方のいいところを言うのだけはNGですから(笑)」

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ウエストランド(左・井口浩之、右・河本太) 岡山県出身の同級生で、2008年11月にコンビ結成。12年から3年連続で「THE MANZAI」の認定漫才師に選出。20年に「M-1グランプリ」決勝に初進出し、22年の同大会で優勝を果たした。昨年11月に東京・草月ホールで開催された、ウエストランド第3回単独ライブ『FANG!』のDVDが3月27日に発売。