社会

人気女優の流出動画から逮捕者!? 国内でも激増する“ディープフェイク”の真相

2017年ごろからアメリカの動画サイトで偽のポルノ動画が投稿されるようになり、18年には作成技術が公開されて専用のフリーソフトが普及した。これで新規参入のハードルが下がり、作品が一挙に急増したという。

「今回逮捕された容疑者らもフリーソフトを使用していたようです。今ではスマートフォンでも作成できるほどの手軽さで、警視庁は国内で3500本超の合成動画を確認しています」(前出の全国紙記者)

技術的には手軽にできるようになったとはいえ、作業自体は気の遠くなりそうな行程だ。

「ターゲットとなるアイドルや女優の顔写真を、何万枚も集めてAIに読み込ませた上で、顔の形状や目鼻、口もとといった表情筋の動きなどをコンピューターに学習させるのです。今回逮捕された大槻容疑者は、『10分の動画を作るのに、動画1本あたり3万枚の画像をAIに読み込ませ、機械学習を1週間にわたって100万回繰り返した』と供述しています。例えば、あなたの奥さんでも、あらゆる角度からの写真を何万枚も集めるなんて、ほぼ不可能ですよね。それができるのはネット上で膨大な画像を収集できる一握りのトップアイドルや女優しかいない。需要も高い彼女たちが、一方的に標的にされているのです」(前出の業界ライター)

冒頭の佐々木希以外にも、有村架純がソープ嬢としてローションプレイで男をトロトロに責め続ける動画や、『乃木坂46』の白石麻衣が自ら男の上に乗って騎乗位でイキまくる動画、綾瀬はるかや板野友美らの偽動画も公開されている。

「世界的に一大ビジネスになっている」

「ネット上で公開されているディープフェイクポルノの多くは、宣伝用のダイジェスト版で数分しかない。〝本編〟を視聴したい場合は、数千円単位での購入、もしくは有料会員サイトへの登録が必要となる。ディープフェイクポルノは世界的に一大ビジネスになっていて、AI競争にひた走る中国では、国民の間で副産物的にディープフェイクポルノ市場が盛り上がっています」(同)

長澤まさみのディープフェイクポルノ動画のタイトルには中国語も記載され、名前も《雅美》と漢字表記するなど、中国市場を意識したサイトも確認できる。

これらはディープフェイクポルノとうたっているが、中には〝本物〟と誤解させる、より悪質なケースもあるという。

「今年9月には、美人ハーフタレントXのプライベートのハメ撮りだという触れ込みの偽動画が、男側の知人を名乗る人物によって出版各社に持ち込まれました。当然、どこの社もスルーしましたが、SNSで拡散されてしまったのです」(写真誌の関係者)