社会

コロナ禍“月額60万議員年金”ドサクサ復活…二階幹事長が虎視眈々

国会議事堂
国会議事堂(C)週刊実話Web

コロナ禍のドサクサに紛れ、二階俊博幹事長が、かつて悪評紛々で廃止された「議員年金」の復活を画策し始めた。これには自民党内からも「このタイミングで動くのか」と危惧する声が出ている。

議員互助年金(議員年金)は議員引退後の所得保障目的で、国会議員は1958年、地方議員は1961年に創設された。

「国会議員年金は一般国民が加入する厚生年金や国民年金と比較して高額なうえ、公費が7割もあてられる手厚い保障だった。当然、議員だけを特権階級扱いするのはおかしいという国民の不満が噴出した。それを受け、国会議員年金は小泉純一郎内閣時代の2006年、地方議員年金は2011年に廃止されました」(全国紙政治部記者)

確かに、かつての議員年金は国民から猛批判が出るほど格差が大きかった。国民年金の場合、支給額は従来の40年納付満額で年間約78万円、月平均6万5000円だ。

一方、国会議員年金の支払う保険料は年間126万6000円で、月に換算すると約10万円。一見、高額保険料に思えるが、2006年当時の国会議員の推定平均年収は約2900万円だから、月10万円の保険料など痛くも痒くもない。

まさに“打ち出の小槌”のような制度

「議員在職中、126万円を10年間支払えば、65歳から終身まで年412万円、月額34万円が支給される。しかも、在職期間が1年増えるごとに年間プラス8万2400円増額される、まさに『打ち出の小槌』のような制度です。長く国会議員を務めれば務めるほど、べらぼうに支給額は多くなる。月額60万円以上を手にする国会議員もゴロゴロいて、笑いがとまらない仕組みだった」(政治評論家)

議員年金優遇は国会議員だけではなかった。当時の地方議員年金も在職12年以上で、都道府県議は平均約194万円、市議は平均約103万円を退職後に支給される〝優遇〟ぶり。こちらも国民批判の的となり、後の市町村合併による議員減少と掛け金不足が重なり廃止に至っている。

この議員年金を復活させようと目論んでいるのが、二階幹事長だ。まず、2018年10月、第4次安倍改造内閣でツーカーの仲である和歌山2区選出の石田真敏氏が総務相に就任した頃から動き始めたという。

「昨年9月、菅内閣発足直後から二階幹事長は改めて党幹部らに議員年金復活の指示を出した。年末には、二階幹事長の腹心・森山裕国対委員長が2021年中に地方議員の厚生年金加入を軸に議員年金復活を唱えた。もちろん、その先には、国会議員年金の復活を見据えている」(霞が関官僚)