広島カープの若き主砲・鈴木誠也外野手の移籍先は、国内か、それともメジャーリーグか…。ひょっとしたら、「大逆転で巨人」なんてことがあるかもしれない――。
鈴木が「広島史上最高年俸野手」になったのは、昨年の12月9日。年俸3億1000万円(推定、以下同)で契約を更改し、3億円プラス出来高の4年契約を結んだ菊池涼介内野手を抜いたのだ。
「黒田博樹氏の年俸6億円(2016年)に次ぐ、球団歴代2位の金額です。5年連続の打率3割超えは、山本浩二氏や前田智徳氏もできなかった球団初の快挙。名実ともに『カープの顔』になったと言えるでしょう」(スポーツ紙記者)
だが、その「カープの顔」の更改後の会見は、今後の波乱を予感させていた。それは記者が「ポスティングシステムによるメジャー挑戦の話はしたのか?」と質問したときのことだ。
「(球団と)少しはしましたけど、深くはしていない。状況は難しいですけど、タイミングが合えばというニュアンス」
そう話すにとどめた鈴木だったが、その表情も雰囲気も、パッとしなかった。
「20年シーズン、巨人の独走態勢が固まった頃、鈴木は外野守備中に下を向いたり、ため息をつくような素振りを見せた。モチベーションを持続するのが大変そうでした」(同)
それだけではない。「5年連続打率3割」の記録も、最後は佐々岡真司監督の温情で成立しているのだ。
「理想はチームが優勝して鈴木誠也を送り出すこと」
11月10日、残り2試合となった神宮球場での一戦で、鈴木は3打数3安打。打率がちょうど3割を超えると、佐々岡監督がベンチを出て代走を告げ、翌日の最終戦は欠場した。
鈴木にしてみれば、20年の打率3割超えもチームの5位低迷も、受け入れがたいものなのだ。
「選手がフリーエージェント(FA)権を行使するのは、2パターンあります。起用法を含めた自身に対する評価への不満、それから、優勝争いへの枯渇です」(ベテラン記者)
鈴木が国内FA権を取得するのは22年オフで、海外FA権の取得はさらにその翌年オフの予定。ここで思い出されるのは、〝マエケン〟こと前田健太投手のポスティングシステムを行使して米球界に挑戦したケースだ。
「早ければ21年オフに挑戦するという見方もありますが、理想はチームが優勝して鈴木を送り出すこと。マエケンのときは優勝こそ逃しましたが、最多勝に輝き、ファンも納得した上でのメジャー挑戦でした」(前出のスポーツ紙記者)
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