巨人「DH制不採用」でセ・リーグ離脱加速! ソフトバンクも後押しか

巨人がセ・リーグ理事会で「DH制導入」を提案するも一蹴され、球界再編に向けて動き出す。これに、セ界で孤立する巨人にソフトバンクの孫正義会長が支援の輪を広げ「セ脱退、パ加盟案」が浮上。そこには〝新旧のドン〟の影が――。

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新型コロナウイルスの感染拡大で慌ただしい年の瀬に、「巨人がパ・リーグにくら替えする」という超ド級の情報が伝わり、セ・リーグ各球団が対応に追われている。

「巨人のパ・リーグ移行となれば、球界再編は避けられない。とにもかくにも、巨人は山口寿一オーナー(読売新聞本社グループ代表取締役社長)が提案した『暫定的DH制導入』が審議もせず葬られたことに怒り心頭。盟主のメンツもあり、セ・リーグを見切ってDH制のあるパに加盟するという動きが加速している。また、〝伝家の宝刀〟をチラつかせているわけです」(スポーツ紙デスク)

巨人が来季からのDH制導入を強く訴えるのは、何も私的な理由からだけではない。今季、ぶっちぎりでリーグ優勝したものの、日本シリーズでソフトバンクに2年連続の4連敗――。

「強い巨人もパ・リーグの中に入れば、実力は3位か4位程度。他のセ球団はパの最下位レベル」

そんなファンの声を払拭し、セ・リーグ全体のレベルを底上げするのが狙いだった。なぜそれを理解しないのか、という強い憤りが離脱案の背景にある。

過去にもあった巨人の「セ・リーグ脱退」宣言

ここで思い出されるのが、オリックスと近鉄の合併に端を発する2004年の球界再編だ。当時、パでは〝もう1組の合併案(西武とロッテ、またはダイエーと日本ハム)〟が進行中で、「セ6、パ4」案が浮上した。

そこでパ側は「1リーグ制移行」を希望したのだが、ドル箱の巨人戦を抱えるセ側が「相手がパのチームでは観客が入らない」と猛反発し、球界が大混乱。その際も、渡邉恒雄オーナー(当時/現読売新聞グループ本社代表取締役主筆)は「巨人はパ・リーグ移行も視野に入れている」とセの各球団をけん制。楽天の新規参入の流れを作り、「セ6、パ6」の維持につなげた。

「ナベツネさんは、1993年のフリーエージェント(FA)制導入の際も、セ・リーグ脱退を宣言したことがあります。認められなければ、西武やダイエーを含む社会人野球の6球団で新リーグを結成すると。球界の大きな節目で主役を演じてきたナベツネさんは、今なお読売グループの最高首脳で、今回も強行突破を主導していると聞きます。巨人がリーグ離脱というような事態になれば、経営が立ち行かなくなるセ球団が出るでしょう。メディアが報じるほど、巨人の旗色は悪くはないんです」(ベテラン巨人担当記者)

さらに、巨人が強気になる理由がある。それは、ソフトバンクの孫正義オーナー、王貞治球団会長の理解を取り付け、水面下で連携しているからだ。