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『美女ざんまい』~歌手/女優・麻丘めぐみインタビュー

29年ぶりの新曲を発表した麻丘めぐみ
29年ぶりの新曲を発表した麻丘めぐみ (C)週刊実話Web

昭和歌謡ブームの中で、今年は往年のファンにとって明るいニュースがあった。あの麻丘めぐみが29年ぶりの新曲を発表したのだ。コロナ禍で暗い話題ばかりの2020年だったが、そのウサを吹き飛ばすアイドル話に花が咲いた!!

――新曲『フォーエバー・スマイル』が収録されたアルバム『Premium BEST』には、当時の貴重な映像を収録したDVDとフォトブックも付いていて、実にお得感満載ですね。

麻丘 ありがとうございます。〝先代〟のかわいらしい姿がたくさん入っているので、新しいファンの方にもぜひ見ていただきたいんですよね。

――先代!?

麻丘 当時の自分のことはそう呼んでいるんです。今はYouTubeとかで、昔の私を見ることができるじゃないですか。「先代の麻丘めぐみはなんてかわいいんだろう」って。2代目の今の私は等身大バージョンです。

――封印するのではなく、別の存在として大事にされているわけですね?

麻丘 はい。あの頃の麻丘めぐみは絶対なんです。2代目の私が恥をかかすようなことはしてはいけない、そう思いながら活動しています。だって、自分で言うのもなんなんですけど、フォトブックに収録されてる先代は本当にかわいらしいんですから(笑)。

――YouTubeでデビュー当時の『芽ばえ』を見ました。当時はあんなにスカートが短かったんですね。ヒザ上20センチ以上はある。あの衣装に違和感とか恥ずかしさはなかったんですか?

麻丘 あの頃は私だけじゃなく、イヤだなんて言えない時代でした。ただ、デビューしてしばらくは衣装のほとんどを母が作っていたんです。当時はスタイリストもヘアメークさんもいませんでしたから。

――事務所が作ってくれるものじゃないんですか?

麻丘 シングルを3カ月に1枚のペースでリリースしていたんですが、その際に事務所は2着だけ衣装を作ってくれたんです。でも、それだけでは全然足りない。セブンティーンのモデルをしていた頃からのファンの方は衣装も楽しみにしてくれているので、着回しにも限界がありますよね。結局、母が作ることになるんです。私服もそうでした。お給料も安かったので毎日ジーパンを履いていました。上着は母が500円くらいでまとめ買いしてきたTシャツ。それを着て雑誌の撮影を受けるため、ほとんどが私服だったんです。ところが、いろんな記事で「めぐみちゃんはジーパンとTシャツが大好き」とか書かれちゃう(笑)。本当はそれしか着るものがなかったんですけどね。

同世代の人に喜んでもらうには…と考えました

『芽ばえ』『私の彼は左きき』など、中高年の心に残る名曲を大ヒットさせた彼女は、16歳からトップアイドルの道を走り約5年の歌手活動で電撃引退。その後は女優業に本腰を入れていたが、ディナーショーなどで歌うことは続けていたという。

――29年ぶりに新曲を出すことになったいきさつを教えてください。

麻丘 実は、これまでも何回かベスト盤は出させていただいてるんです。そんな中で昨年の秋頃から「今回は特別なプレミアムベストを作りたい」と言っていただいて、フォトブックも付ける、当時のディレクターさんなどとの対談も収録する、と。最後にボーナストラックも入れたいけれど、どうしますか? って。

――そこで新曲の話が?

麻丘 最初は半信半疑だったんですよ。今の私に何が歌えるんだろうって。

――レコーディング自体は何年ぶりだったんですか?

麻丘 最後に出したのが『必殺仕事人・激突!』の挿入歌『やさしくしないで』でしたから、29年前。本格的なレコーディングをしたのは21年ぶりでした。お話をいただいた時は一度持ち帰り、じっくりと考えたんです。歌手を引退後もまったく歌ってなかったわけではないけれど、60代になった私の歌で同世代の人に喜んでもらうにはどうしたらいいんだろうって…。でも、発想を変えました。これからの人生、まだ何十年もあるとポジティブに考えるか、何十年も頑張らなくちゃいけないとネガティブに考えるか、大きな違いがありますよね。そんな時に自分の背中を押してくれるような応援歌なら歌えるんじゃないかって。

――身に沁みます。