
『美女ざんまい』~歌手/女優・麻丘めぐみインタビュー
麻丘 そんな思いを作詞家の松井五郎さんにお話しして、曲のテンポとかサビの入り方などかなり細かい部分まで注文させてもらったんです。そしたら、見事に私の考えていた通りの歌詞ができ上がってきて、もうビックリしちゃいました。
――それほどの想いが込められた曲のレコーディングなら、順調にいったわけですね?
麻丘 ところが全然。馬鹿みたいに肩に力が入ってしまって、声がうまく出なかったんです。昔のレコーディングと違って今は打ち込みだから、立ち会う人が誰もいないんですね。それがかえって力みにつながり筋肉痛になっちゃいました。2日目は気負いをやめて、『私の彼は左きき』を応援してくださった方の耳に残るあの時の声と、今のちょっと低めの地声も少し出しながら歌ってみたところ、うまくいきました。
麻丘は21歳で結婚し、27歳で離婚。それを機に芸能界に復帰している。一人娘は現在、フランス在住だ。
――ファンにとっては「めぐみちゃん」の結婚は大ショックでした。
麻丘 でも、私の青春はそこから始まったんですよ。アイドル時代の記憶はほとんどないんです。たくさんの歌番組に出て全国のコンサート会場に行くけれど、終わればホテルに入れられてマネジャーが部屋のカギを持っていっちゃうんですから。出かけたいとも思わないほど疲れていたので、寝るだけでした。
――年頃なのに…。
麻丘 当時は男の人としゃべってはいけないと言われていたし、どこを歩いても黒いスーツを着たマネジャーやレコード会社の人の監視があって、すごく怖かったんです。だから、新御三家の西城秀樹さん、野口五郎さん、郷ひろみさんと共演することはあっても、「おはようございます」「お疲れさまでした」を言うだけ。目を合わせることもしなかったんです。なのに、当時は私が3人と同時に付き合ってるという噂が流されて。「あいつはとんでもない女だ」と、ものすごいバッシングを受けました。カミソリの入った手紙が送りつけられて来たり、髪の毛にガムを付けられたことが2回もあるんですよ。
「今でも仲良し!」南沙織と浅田美代子
――それだけ新御三家の人気がすごかったわけだ。麻丘 いまでもそれがトラウマで、女子高校生を見ると思わず身構えてしまいますね(笑)。
――で、引退後に「青春が始まった」というのはどういうことですか?
麻丘 あれやっちゃダメ、これやっちゃダメと言われる生活の中で「こんなの絶対におかしいよね」と気が合ったのは、シンシア(南沙織さん)と美代ちゃん(浅田美代子さん)でした。忙しい合間に顔を合わせると「私もシンシアも美代ちゃんも売れてるけど、こんなの長く続くわけがない」って。生身の人間なんだから、ちゃんと自分の人生を歩きたいよねって。思っていたことが3人一緒で、仲良くなったんです。でも、当時はライバルだから仲良くしちゃいけないって言われてましたね。「私たち、恋人同士みたいね」なんて言いながら、コソコソとそれぞれのお家に行ってたんです。今日はシンシアの家でご飯、明日は美代ちゃんの家で…って。
――引退した後は、それが自由になった。
麻丘 そうなんです。なんて楽しいの! って思いました。スケジュールは自分で組めるし、誰と何をしゃべっても何の制約もない。シンシアも美代ちゃんも同じような時期に仕事を辞めたので、3人で思う存分楽しい時間をすごしました。特に大型スーパーで色んなモノが売っているのが衝撃的でした。「すごーい」なんて言いながら、互いの家で作るごはんの材料を買うんです。
――今でも仲はいいんですか?
麻丘 はい。自粛期間中も電話をしてました。
――最近の3人はどんなことを話しているんでしょう。
麻丘 うふふ。それは内緒です(笑)
麻丘めぐみ◆あさおかめぐみ 1955年10月11日、大分県生まれ大阪育ち。3歳から子役やCMモデルとして活躍。16歳の時に『芽ばえ』で歌手デビュー。同年レコード大賞最優秀新人賞受賞。29年ぶりの新曲を収録したベストアルバム『Premium BEST』がビクターエンタテインメントより発売中。インスタグラムmegumi_asaoka_official
ヘアメイク/小林あすか スタイリスト/平澤雅佐恵 衣装協力マリナ リナルディ/マックスアンドコー ジャパン
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