『亀田の柿の種』や『ハッピーターン』などロングセラー商品を生み出した亀田製菓が、ここに来て転換期を迎えている。米菓の国内シェア30%を有する最大手の同社は、6月にインド出身のジュネジャ・レカ・ラジュ氏を会長兼CEO(最高経営責任者)に据え、大規模改革に着手する。
「亀田製菓の売上高は、2022年3月期で851億円ですが、国内の米菓事業だけで629億円の収入を得ており、売上高の7割超を占めています」(経済評論家)
このまま米菓事業で悠々と稼いでいくかと思いきや、30年度までに米菓事業の比率を5割まで引き下げる方針。すでに今年は、代替肉や米粉パン、乳酸菌の3ブランドを立ち上げ、米菓専業から総合食品業への転換を急いでいる。
「米菓の購買層は50~70代で、若年層の米菓離れが加速しています。近年は原材料やエネルギー価格の高騰で利益率が低下しており、今後の業績悪化は免れない。そんな先行きへの不安から、大規模な改革を標榜しました」(亀田製菓の幹部)
地方企業をグローバル化する
新社長に就任するジュネジャ氏は、太陽化学やロート製薬で副社長を歴任し、叩き上げのインド人経営者とメディアでも取り沙汰された人物。20年に亀田製菓に入社し、食品事業のM&A(企業の合併・買収)やグローバル化を目指す。
「この2年で外国人や異業種の人材を積極的に採用するなど、新体制に向けて動き出しているものの、一方で経営改革に難色を示す中高年社員は多い。変化を嫌いやる気のない社員は、リストラ対象者としてふるいに掛けられています」(亀田製菓社員)
新潟の地方企業がグローバル化に成功するには、ぬるま湯に浸かった社員のマインドを変えることが一番の近道。新体制の手腕に、注目が集まっている。
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