
「単に打ち合うのではなく」ボクシング元世界王者・八重樫東インタビュー~“激闘王”は職人気質
激闘王と呼ばれた勇猛果敢な男は、闇雲に殴り合っていたわけではない。
八重樫「僕は僕が作ってきたボクシングの中で、できるだけ被弾しないように、勝つ確率を上げるためにやってきた。試合のない時期は『ああしよう、こうしよう』といろんなことを考えます。自分ができることは分かっているから、その中でどれだけ積み上げることができるか。
大事なのはプランニングですね。単に打ち合うのではなく、試合にどういう入り方をして、展開をどうコントロールして、その上でどこから打ち合って潰していくか。(世界戦の)12ラウンドって長いですから。後半は動きが落ちることもある。最初から自分が攻めるか、相手の動きが落ちるのを待つか。そういう駆け引きもあります」
逃げないことは勝つための作戦であり、また、ボクシング人生すべてにおいて貫かれていた。リング上だけでなくマッチメイクの過程でも、強い相手から逃げなかったのだ。
その代表例が2012年6月20日に行われた井岡一翔戦だ。八重樫はWBA王者、対する井岡はWBC王者。現役王者同士のタイトル統一戦は日本で初のことだった。
実際に対戦が決まる前、つまり事前交渉の段階から、この王者対決は大きな話題を呼んだ。複数の団体が存在するボクシング界では、同じ階級にチャンピオンが何人もいる。ファンが見たいのは何よりも「誰が一番強いのか」を決める試合だ。八重樫と井岡はそれに応えたのである。
「どうやって勝つかを考えるしかない」
正真正銘のスーパーマッチ。しかし、八重樫自身には「そういう感覚はなかったです」。なぜなら「強いヤツに勝ちにいくんだっていう感覚はいつも持っているものなので」。所属する大橋ジム・大橋秀行会長からの試合の提案を、八重樫は断ったことがないそうだ。
八重樫「会長からのオーダーに対して、僕のアンサーは『分かりました』しかないですから。少しでも躊躇したら、会長は『じゃあ、いいや』となる。選手の姿勢を見てるわけです。全員に平等にチャンスが来るわけではないのがボクシングの世界。そこで迷わずチャンスを掴みにいけるかどうか。
僕とすれば、来た相手とやるだけ。もちろん怖いですけど、試合が怖いのは誰が相手でも一緒です。相手が怖いんじゃない。怖いのは負けという事実を突きつけられること。じゃあ、どうやって勝つかを考えるしかない」
井岡戦はもはや日本ボクシング界の〝伝説〟だ。結果は判定で井岡の勝利。しかし左右のまぶたを無残に腫らしながらパンチを振るう八重樫の闘志も観客と視聴者の心を揺さぶった。
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