社会

『丸亀製麺』が“うどん県”の香川県民に受け入れられない理由

丸亀製麺 
(画像)KARYI YEAP / Shutterstock.com

トリドールホールディングス(東京都渋谷区)が運営する讃岐うどんチェーン『丸亀製麺』のイオンモール高松店(香川県高松市)が、去る2月27日に閉店した。900軒以上のうどん店がひしめく香川県で奮闘してきたが、郷土愛に屈したといわれている。

「他県民から〝うどん県〟と呼ばれるほどの香川県民に、地元発祥ではなく前身が焼き鳥屋の丸亀製麺は、あまり歓迎されていませんでした」(フードライター)

丸亀製麺は2001年1月、店内製麺の讃岐釜揚げうどんを売りに、兵庫県加古川市に1号店を出店。折からの讃岐うどんブームに乗って店舗を拡大し、11年5月には47都道府県への出店を達成した。現在、全国で833店舗を展開し、アメリカや中国など海外にも進出している。

『はなまるうどん』は1軒もつぶれていない!

「11年の7月に讃岐うどんの本場〝丸亀〟の名前を全国に広めたとして、創業者の栗田貴也社長が丸亀市の文化観光大使に選ばれた。丸亀製麺の社名は、栗田社長の父親が香川県出身だったことにちなむものだ。しかし、海外で丸亀製麺が日本を代表する〝うどんブランド〟になっていることが、どうしても香川県民には許せないのです」(同)

丸亀製麺は高松市内で3店舗展開していたが、15年1月に栗林公園店が閉店しているため、残るは高松レインボー通り店だけになってしまった。

「一方、高松市で創業したライバルの『はなまるうどん』は、06年に牛丼大手の吉野家ホールディングスの連結子会社になった。全国で440店舗を展開しているが、香川県に出店した14店舗は現段階で無傷。1軒もつぶれていないのは丸亀製麺より価格が安いからです」(地元紙記者)

丸亀製麺が香川県から全面撤退するのは、時間の問題かもしれない。

あわせて読みたい