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ワークマン大躍進! 5期連続過去最高益更新の原動力とは~企業経済深層レポート

企業経済深層レポート (C)週刊実話Web

コロナ禍でのアパレル不況が深刻な日本で、ガテン系(土木、建築、運転手など技術職や現業職に従事する人)衣料販売の雄と言われるワークマンが、例外的な好調を維持している。作業服にとどまらず、一般衣料で売り上げを急増させているためだ。

まず、ワークマンの好調は決算報告でも明らかだ。2020年3月期は、チェーン全店売上高(ワークマン既存店とワークマンプラスで計868店舗/20年3月末)が1220億円と、前年同期比31.2%増。そして、営業利益は191億7000万円で同41.7%増となり、純利益も133億6900万円で同36.3%増と増収増益を達成。しかも、通算業績としては10期連続で増収、5期連続で過去最高益を更新した。

「ワークマンが群馬県伊勢崎市に誕生して約40年。同社はもともとプロの作業服専門の販売店だったが、08年のリーマンショックを機に現場作業員が減少し、企業として打開策を求められていた。そこで目を付けたのが一般客です」(アパレル業界関係者)

ヒントは、インターネットだった。例えば、もともとワークマンでレインスーツは、雨天時の屋外作業で使う防水・防寒ウエアとして売られていた。しかし、それがバイカーの間で「雨の日に使えて安くて完璧」と評判になり、ネットを中心に噂が広がっていったという。

ワークマンはなぜここまで低価格にできるのか…

「プロ職人向けの機能を持つ製品が、SNSで盛り上がって売れることが連続し、『売り方を変えれば一般客にも売れる』と経営陣が反応。これにヒントを得て、ワークマンは商品をアウトドア、スポーツウエアに拡大していきました」(同)

こうした長年の蓄積を経て、18年には東京・立川市の「ららぽーと」に満を持して「ワークマンプラス」を出店した。作業服専門店のワークマンから、売り場構成をアウトドア、スポーツなどを主体にしてオープンすると、これが一般客にも爆発的な人気となり、今日に至るワークマン大躍進のきっかけとなったのだ。

しかし、このプロ仕様の高機能性、丈夫さ、着安さなどがあっても、価格が高ければここまでのヒットはなかった。

「ほとんどの商品がアウトドア、スポーツ専門店の5分の1から10分の1の価格で、それも数千円台で手に入るのが人気の秘密です」(経済誌記者)

では、なぜここまで低価格にできるのか。その理由を経営コンサルタントが指摘する。