「つまり、来季はドラゴンズでプレーするが、2年目以降はメジャー移籍を選んでもいいということです。この間、仮に故障しても最低3億円の年俸が保証してもらえるわけで、このご時世で、これ以上の条件はありません」(中日担当記者)
このアイデアを球団と大野に提案したのは、次期監督候補の1人と目される中日OBの山本昌氏。巨人陣営が「3年10億円を基本線にしている」との情報をキャッチすると、中日球団に「たとえ借金してでも同額を用意してほしい。その上でメジャー転身を約束すれば大野は必ず残る」と上層部を説得したという。
「当初、ドラゴンズはFA放出も覚悟で、2億円程度での交渉を考えていたようです。それが、山本案を選手たちもOB首脳も支持し、『打倒巨人』で大同団結。球団は巨人と同額に上方修正し、勝負ありです」(同・記者)
この論功行賞で、名古屋では「次期監督は山本氏で決まり」(地元テレビ局幹部)の声が強まっている。
一方、大野獲りが消滅し、窮地に立たされたのが巨人。
「そこで菅野に、もう1年チームにとどまり、『来オフの海外FAでメジャー移籍』を打診しているが、菅野の反発は思いのほか少なく、残留の可能性が高まっている。予想もしなかったコロナ発生と、今なお続く米国内での感染拡大が、前のめりになっていた菅野のメジャー挑戦の考えを引き止めているようだ」(スポーツ紙記者)
また、コロナ対策に重点を置くバイデン氏が米大統選に勝利したことで、来季のMLB開催に不透明な点が多いことも追い風となっている。さらに各球団とも財政は厳しく、エース級の先発投手を必要としながら、資金面で積極的に動けるのはブルージェイズ、ジャイアンツ、ホワイトソックスなど、ごく少数だという。
1年後の海外FA移籍なら菅野はヤンキース入り!?
「その点、1年待って海外FAで移籍すれば、選択球団の幅も広がり、親交のある松井秀喜氏のいるヤンキース入りの可能性も高まる。結束が強い原ファミリーでは、『今は動くべき時期ではない』という意見が多く、菅野自身も、人気モデルで恋人の野崎萌香さんとの交際が順調なこともあり、何がなんでも来季メジャーとは考えていない」(同・記者)
巨人では、今季6億5000万円の菅野の年俸を10億円に引き上げる案を着地点に検討している。これで優勝ができるのなら双方にメリットがある。
さらに、メジャー挑戦を1年延期すれば、東京オリンピック出場が可能になる。コロナ禍で希望を失いつつあるファンの笑顔は、何にも代え難い。今度の〝浪人〟は、決して悪い話ではない。
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