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菅義偉首相に大逆風! 大阪都構想否決とトランプ大統領の落選…

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国会議事堂 (C)週刊実話Web

発足から2カ月。菅政権が早くも正念場を迎えている。菅義偉首相が個人的に深く関わっていた日本維新の会による大阪都構想が住民投票(11月1日)で敗北、米大統領選ではトランプ大統領落選、バイデン候補が勝利を収めた。今後の展開次第では菅政権にとって、大逆風が吹き荒れる可能性が強まった――。

まず、大逆風の1つ。日本維新の会が大阪で推進した「大阪の二重行政の無駄を廃止する」、いわゆる「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が反対で否決された。

「敗北の責任を取り、日本維新の会代表の松井一郎大阪市長が代表を降りる。また、市長の任期満了後に政治家引退を明言した。これで日本維新の会の『一丁目一番地』の旗印がグラつき、今後、党として失速することが懸念されている。それ以上に大ダメージを負うのは菅首相だろう」(全国紙政治担当記者)

これまで大阪都構想を陰に陽に支えてきたのが、菅首相だった。

「創設当初から維新の目玉政策は大阪都構想。しかし、2010年発足時は政令指定都市の大阪市を廃止して『大阪都構想』を実現する法律がなかった。それを国会で議員立法として提案、成立までバックアップした中心的人物が菅首相だった。そして、2012年8月に『大都市地域における特別区の設置に関する法律』が成立し、『大阪都構想』が現実的に動き出した」(同・記者)

改憲のために維新に歩み寄っていた菅首相だが…

2015年5月に最初の住民投票が、橋下徹大阪市長時代に行われたが、結果は約1万票の僅差で否決された。

「橋下氏は政界引退を表明し、松井氏ら維新は政党として崖っぷちに立たされた。それを背後で鼓舞、激励したのが菅首相だ。再起した松井市長と吉村洋文大阪府知事は万全を期し2回目の住民投票に臨んだ。松井・吉村コンビが今日まで戦ってこられたのも、都構想実現という目標があったから。菅首相は大阪万博誘致などでも側面支援した。永田町では、松井代表がトップの日本維新の会は菅派別動隊とも囁かれていたほど」(同)

だが、自民党大阪府連は都構想に反対。今回も反対を鮮明に打ち出し住民投票に臨んだ。自民党本部とはねじれを生んだが、菅首相は維新寄りの姿勢を崩さなかった。

「自民党大阪府連の反発覚悟で維新を支えるのは憲法改正と菅首相自身のためです。まず、改憲には衆参で国会議員3分の2の賛成が必要だ。現状でいえば、衆院は自公で3分の2を超えているが、参院は自公141人で、3分の2の164議席に届いていない。そのため自民党は改憲派の維新16人もカウントしている。それでも3分の2に7議席不足。都構想可決で維新に弾みがつけば、維新勢力は大阪だけでなく全国に拡大する。そして、改憲も可能になると読んだのです」(自民党関係者)