菅首相が“不意打ち”!? 1月解散を裏付ける「年末年始17日間休暇」撤回

1月冒頭解散説がにわかに現実味を帯びてきた。西村康稔経済再生担当大臣がコロナ封印のため、年末年始の17日間長期休暇を提言したところ、自民党の二階俊博幹事長が「聞いてない!」と大激怒。永田町では「怒りの根源は菅首相-二階幹事長ラインで、極秘に進められていた1月冒頭解散のシナリオが崩れたから」ともっぱらだ。

一連の経緯を全国紙政治部記者が解説する。

「事の発端は、10月23日に開かれた政府の新型コロナの感染症対策分科会です。そこで感染症対策のため、年末年始休暇を通常の12月29日から1月4日までを、12月29日から1月11日に延ばすのが望ましいという提言があったのです。12月26日から休みを取ると17連休。それをコロナ担当大臣の西村経済再生担当相が記者会見で明らかにすると、二階幹事長は『西村君から聞いていない。真意がどこにあるのか!』という激怒発言となった。下村博文政調会長も『党への事前説明がない』などと激しく噛みついた。自らの軽率さに慌てた西村氏は二階幹事長のもとに飛んで行き、『一括まとめての長期休みではなく、それぞれの職場や学校に応じ、分散して休んでほしいという趣旨です』と釈明に追われる事態となった」

伝家の宝刀“解散権”を抜くタイミングは4つだけ…

なぜ、二階幹事長は激怒したのか。

「それは政治日程を睨み、菅首相ともども、1月の通常国会を早めに開き、冒頭解散か、それに近い1月解散の極秘シナリオを描いていたからだというのです。ところが、西村提言のような年末年始の異例の長期休暇となれば、コロナで国民に休みを要請している手前、通常国会での冒頭解散は到底、国民の理解は得られない。つまり、首相の伝家の宝刀である解散権が封じこまれてしまうため、二階幹事長は憤慨したのです」

菅首相と二階幹事長が1月冒頭解散を模索した背景について、二階派幹部がこう語る。

「衆院議員の任期は来年10月21日までで、残り1年を切った。菅首相がどのタイミングで解散総選挙に踏み切るかは、与野党衆院議員の最大の関心事だ」

そして、伝家の宝刀を抜くタイミングをこう分析。

「考えられるのは、4つのパターンしかない。1つは年内解散、2つ目は1月召集の通常国会冒頭かその前後。3つ目が2021年度の予算成立後の3月末~7月の東京五輪開幕まで。4つ目は9月のパラリンピック閉会以降だ」(同)