北朝鮮 美人エリート外交官「強制労役」と金正恩夫人「出産説」

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は、父親の金正日総書記や祖父の金日成主席の時代と比べ、統治スタイルを大きく変えている。その一つがエリート女性の登用で、北朝鮮における現在の権力構造は、正恩氏を中心にそれを支える3人の女姓で成り立っている。

その3人とは、まずファーストレディーとして、かつてない役割を果たしている李雪主夫人、後継候補とされる妹の金与正党第1副部長、そして、正恩氏が寵愛する元カノで歌手の玄松月党宣伝煽動部副部長だ。

玄氏は党中央の幹部連中が「1号宅」と畏怖する存在。本来、朝鮮で〝宅〟という言葉は、その家の夫人を指す意味で使われており、日本における「奥方」に相当する呼び方である。

玄氏には政治家や軍人としての顔もあり、正恩氏とは始終同伴し、最も濃厚接触しているキーパーソンだ。正室の李夫人にとっては気が気ではない存在だろう。

以上の3人は親族および準親族とも言うべき存在だが、それ以外で先頭を走っていたのが、対米交渉の窓口を務め、米国にも恐れられた「マダム・チェ」こと崔善姫第1外務次官だ。

この重要ポストに女性が就任したのは北朝鮮初で、さらに党中央委員と国務委員を兼務するなど、男尊女卑と儒教思想が支配する同国では、例外的な超エリートである。

ところが、7月に強烈な対米非難談話を発表した後、崔氏は公式な席から姿を消していた。

美しい容姿はまるで別人のように…

「実は3カ月にわたる革命化教育(強制労役)を強いられていたのです。これは平壌にある協同農場で、党中央の幹部に配給される穀物や野菜を泥だらけになって栽培する苦役。復帰に際して、崔氏は真っ黒に日焼けしており、美しい容姿は別人のようになっていたそうです」(北朝鮮に詳しい大学教授)

北朝鮮には「金王朝」に次ぐ「名門家系」が存在する。先々代の金日成主席とともに戦った「抗日パルチザン家系」だ。

「序列2位である崔龍海国務委員会第1副委員長の父親は、パルチザン出身の崔賢元人民武力部長ですが、マダム・チェもこの人物の娘だという脱北者の証言があります」(北朝鮮ウオッチャー)

だとすれば、崔第1副委員長と崔第1外務次官は、兄妹ということになる。また、崔永林元首相の養女という説もある。

「いずれにしても出自の噂が本当ならば、彼女の出世ぶりも納得できますね。ちなみに既婚の身でありながら、前外相の李容浩氏と不倫関係にあったという噂も流れていました」(同)