巨人“放出組”澤村拓一&長野久義&内海哲也「呼び戻し」再集合

今季は川上哲治氏の球団最多監督通算1066勝を抜き、名実ともに球団歴代最高監督に到達した原辰徳監督だが、唯一の心残りが、この間、功労者の〝ドラ1トリオ〟がチーム事情で巨人軍を離れているという現実だ。

2019年に巨人へFA移籍した丸佳浩の人的補償で広島に移った長野久義外野手。同じく、炭谷銀仁朗の人的補償で西武に移った内海哲也投手。そして、今シーズン中、香月一也内野手との〝格差トレード〟でロッテに移籍した澤村拓一投手の3人である。

「巨人は今季、期限となる9月末までにZ・ウィーラー、高梨雄平、香月を獲得し、池田駿、高田萌生、田中貴也、澤村を他球団に送り出しました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急補強ではありましたが、『将来性のある選手を飼い殺しにせず、活躍の場を与えてやりたい』という原監督の思いやりが背景にあります。長野と内海の呼び戻しは、その考えの延長線上です。移籍先の球団で使ってもらえず、飼い殺しの状態であれば、セカンド悲劇でしょう。巨人監督の集大成として、何とか自分の手で、この問題を解決したいと考えていますよ」(スポーツ紙記者)

長野は日本大学4年時の06年(日本ハム、4位)と社会人ホンダ時代の08年(ロッテ、2位)に指名を受けたが、巨人入りを熱望して入団を拒否。09年にようやく巨人の1位指名を取り付けた。

祖父が巨人OBだった内海も、巨人入りを熱望。敦賀気比高校3年時にオリックスの1位指名を拒み、東京ガスを経て03年に自由獲得枠で入団した選手だ。

菅野智之の海外FAを見据える原監督

「2人とも入団後は首位打者や最多勝のタイトルを獲得して優勝に貢献したにもかかわらず、想定外のチームでプレーを強いられています。ドラフト浪人を経験した菅野智之が今オフ、海外FAを待たずにメジャー移籍を認める背景もあり、原監督はこのサムライたちを呼び戻すことこそ、使命と捉えています」(同・記者)

一部報道によれば、このオフ、巨人は今季限りでソフトバンクを退団する内川聖一の獲得を検討しているという。原監督は世界一に輝いた09年のWBC監督も務めており、過去にそのときのメンバーだった杉内俊哉(ソフトバンク)、岩隈久志(楽天)、村田修一(横浜)、片岡治大、中島宏之(ともに西武)をFAなどで巨人入りさせている。今オフは内川と福留孝介(阪神)が戦力外となり、「また助け舟を出すのではないか」という見立てだ。

巨人OBの野球解説者はこう話す。

「可能性はゼロではありませんが、野手の補強なら長野獲得を優先させるでしょう」