NHK分割民営化へ! 本腰を入れる菅義偉首相“働く内閣”の本気度

菅首相は10月13日、政策的助言を行う内閣官房参与に6人を任命した。そのリストを見たNHK幹部や霞が関官僚の間で激震が走った。元財務官僚で嘉悦大学の高橋洋一教授が任命されたためだ。

高橋氏はNHK分割民営化の急先鋒で知られ、最新著書でも強く主張している。NHK関連では武田良太総務相も「受信料の値下げ」でNHKに切り込む姿勢を強く見せている。NHK改革に固執する菅首相の最終的な狙いは「大マスコミを支配下に置く」という声も聞こえてきた。

「かねてからNHK改革はいろいろなところで語られてきた。ポイントは2つある。菅首相が唱えてきたNHK改革の1つも受信料の値下げ。そして、もう1つは高橋氏が提唱するNHK分割民営化論。高橋氏は元財務官僚だ。2006年に発足した安倍内閣で、当時総務相だった菅首相が創設した『ふるさと納税』の制度作りに内閣参事官として関わったのが高橋氏。菅首相の覚えめでたい人物の1人です。以降、事あるごとに菅首相の影のブレーンとして動いてきました。その高橋氏が正式に非常勤国家公務員の内閣官房参与に名を連ねたということは、菅首相が以前から強く唱えてきたNHK改革を武田―高橋ラインで何が何でも推し進める強い覚悟の表れと見てとれます」

と語るのは霞が関官僚。

半強制的受信料体制でどっぷりぬるま湯に浸かるNHK

「小泉内閣で総務相を務め、今は民間人として菅首相の経済ブレーンとしてサポートするのがパソナグループ取締役会長の竹中平蔵氏。竹中氏は総務相時代からNHK改革論者で、それを菅首相が引き継いだ形です。NHKは約7100億円の受信料収入を原資に約7300億円という膨大な事業予算を持つ。NHKの予算は、放送事業以外を含めた民放最大のフジ・メディア・ホールディングスの売上高約6300億円をも上回っている。NHKの使途の内訳では番組制作費が約3600億円。これは民放でもっとも多額のTBSホールディングス(約990億円)の3倍以上にのぼる」(同)

民放がCMの落ち込みなどで年々経費削減を強いられる中、NHKだけは制作費が右肩上がり。加えて、NHK職員の平均年収は1000万円超だ。

「NHKの傘下には多数の関連子会社があり、高給与の役員らがゴロゴロいる。つまり、どこもコロナ禍で厳しい経営環境の中、NHKだけはジャブジャブ入る半強制的受信料体制でどっぷりぬるま湯に浸かっているわけです。そのため、菅首相は総務相時代から〝NHKの受信料は2割下げられる〟とし、聖域に切り込もうとしている」(全国紙政治担当記者)