
「女性の活躍」を看板政策に掲げた安倍晋三前首相のおかげで、女性の就業率は7割を超え、大企業で取締役に就任する女性も増えてきた。そうした世相が影響してか、近年、裏社会でも「働くオバチャン」が急増。男以上に肝が据わり、小遣い稼ぎの枠を超えた〝違法パート〟に手を染め、莫大な利益をもたらす彼女たちの進出で、違法ビジネス業界は転換期を迎えているというのだ。
闇金にせよ、詐欺業者にせよ、意外に経費がかかるのが「トバシ携帯」と「架空口座」。いずれも数万円で取引されるが、ほぼ数週間で使えなくなってしまうため常に在庫が必要になる。
そのため現在、裏社会では「口座屋」が最も忙しいと言われている。以前のように、多重債務者やホームレスに作らせるだけでは供給が追いつかず、業者たちは様々な場所で声掛けを行っているという。
「持ってきたらどんどん買うから」
中でも新たなマーケットとして注目されているのが、家計の苦しい主婦たち。やはりそのスカウトに最適なのは、同類であるオバチャンだ。
「もともと闇金の客だった主婦に口座を作らせ、軽い気持ちで『持ってきたらどんどん買うから』とそそのかしたんです。すると、主婦仲間に作らせたものをジャンジャン持ってくるようになりまして…。聞けば、たいていのママ友が苦しい生活を送っているらしく、そういうアルバイトは大歓迎だと喜ばれたそうですよ(笑)」(口座屋)
ママ友に作らせた口座を転売する口座屋オバチャンのアガリ(利益)は、1件につき約1万円。しかも1人の主婦につき3~4通の銀行通帳を作ってくるそうで、闇金からの借り入れなど1週間と経たぬ間に消化できるという。
もちろん、その後もオバチャンからの〝卸売り〟は続き、今では最大の取引先に…。不倫や援交など、1人が手を染めれば瞬く間に流行していくオバチャン・コミュニティーには、裏社会の面々も驚きを隠せないのである。