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芸能界より深刻!?ヤクザの独立問題②本家の不満を若い衆にぶつけるモンスター親分

イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止
イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止

SMAPを皮切りに、手越祐也や山下智久、長瀬智也といった売れっ子が続々と退所。ついには〝長男〟マッチ(近藤真彦)までいなくなったジャニーズ。米倉涼子、剛力彩芽、岡田結実などの退所が止まらない“美の総合商社”オスカープロモーションのように、芸能界では「独立」ラッシュが続いている。その影響を受けたわけではないだろうが、厳しい状況が続く裏社会でも「離脱」に歯止めがかからないというのだ。

親が「白い」と言えば、黒いものでも白くなるのがヤクザ社会。もちろん、それを重々承服した上で盃を受けるわけだが、その心中は穏やかでない場合もある。

大組織となれば、派閥もあれば、各人の水と油の関係性もある。昔はアゴで使っていたような小僧が、ある日突然、兄貴筋になったからといって、心の底から忠誠を誓える者ばかりではないのだ。

「ウチの親分の近年の口癖は、『今の本家のやり方にはついていけない』です。そして酔っているときは、必ず『戦争だ。ウチは(組織を)抜けるから、お前ら道具の準備しとけ!』となる。もともと組織のために、体を張って長期服役を務めたにもかかわらず、ライバル関係にあった組長の方がその間に幹部に昇格してしまった。それが事の発端で、かれこれ10年以上は先の言動を繰り返しています(笑)」

「あいつ、本当に行ってねぇよな?」

荒ぶる親分に連日振り回されるのは、同組織で若頭を務める本村拓哉(仮名)さんだ。

親分の気持ちは痛いほど理解できるものの、その言葉をまともに聞いていては、組員の命がいくつあっても足りない。なにしろ「誰か本部に撃ち込んでこい」「(上部組織の)○○組にパイナップル(手榴弾)放り投げてこい」と、酒が入るたびに血管を怒張させ、緊急招集をかけるというのだ。

もちろん他の組員らも困惑しており、「誰か行け!」と言われても、皆がいっせいに目をそらしてしまう。時折、「じゃあ、お前行ってこい」と指名される者もいるというが、数時間後に落ち着きを取り戻した親分は、「あいつ、本当に行ってねぇよな?」と焦って電話してくるそうだ。

「そのくせ、翌日になると『お前、なんで行かなかったんだ!バカヤロー』とヤキを入れたりしますからね。そりゃ、今どきの若い衆は耐え切れなくなって、どんどん辞めますよ。特に見込みのある賢い若い衆から辞めていきますね(笑)」

辞めていく者は決まって、「親分のやり方にはついて行けない」と口をそろえるそうだから、なんとも皮肉である。

【ヤクザの独立問題③に続く(#③を読む)】

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