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芸能界より深刻!?ヤクザの独立問題①企業経営などで成功する離脱組

イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止
イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止

SMAPを皮切りに、手越祐也や山下智久、長瀬智也といった売れっ子が続々と退所。ついには〝長男〟マッチ(近藤真彦)までいなくなったジャニーズ。米倉涼子、剛力彩芽、岡田結実などの退所が止まらない“美の総合商社”オスカープロモーションのように、芸能界では「独立」ラッシュが続いている。その影響を受けたわけではないだろうが、厳しい状況が続く裏社会でも「離脱」に歯止めがかからないというのだ。

「若い頃は自分の力を過信して、つい勘違いしてしまうもの。親分や兄貴分のことが煩わしくなって、距離をとったり、一人立ちしたくなるときは誰にでもある。だが、そういう時期を経て初めて、その存在の大きさを知ることができる。だから、私も若い頃に『本当の意味での任俠道はこれからだぞ』と、親分からお言葉をいただいた。お恥ずかしいことに、私は〝出戻りヤクザ〟なんですよ」

ふとしたことから兄貴分と口論になったのをきっかけに、中田正広(仮名)さんが組事務所を飛び出したのは約20年前。その頃は血の気が多く、金も持っていた彼は、「看板(ヤクザという立場)が邪魔だ」と常々考えていた。そのため組織と関係を断ち、一本独鈷で生きていこうと決めた。

ところが、若気の至りとはこのこと。数カ月と経たぬ間に、ある組織と揉めてしまい、自分一人では収拾できず、親分の元に駆け込んだ。土下座して、指まで落とす覚悟だったが、親分はそんな彼を温かく迎え入れ、冒頭の言葉をかけてくれたそうだ。

ヤクザ以上にヤクザらしい暮らしぶり

「実は、ウチにいる幹部たちは、大半が若い頃に似たような経験をしていて、親分の器のデカさを知っている。私どもの忠誠心も格別ですよ。そのため、ウチでは若い衆が辞めたいと言っても、引き止めやしませんし、黙って飛んでも追うことなんてない。それを経て戻ってきた組員が本物だ、という考え方ですから。ところが、最近の若い衆は…全然戻ってきやしないんですね(笑)」

「ヤクザがまともに務まらん者が、カタギなんか務まるわけがない」が親分の持論だったが、近年の離脱組の中には、あっさりと企業経営などで成功してしまう者が少なからずいる。

社会からの大逆風で、不自由な暮らしを余儀なくされているリアル・ヤクザとは違い、ヤクザ以上にヤクザらしい暮らしをしている者も多く、さすがの親分も傷心気味だという。

【ヤクザの独立問題②に続く(#②を読む)】

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