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知られざるヤクザのお中元②数時間並ばないと買えないスイーツ

イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止
イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止

見栄を張るのがヤクザの世界。中元や歳暮といった盆暮の挨拶にかける額も桁違いだ。しかも、値が張るこだわりの逸品を、全国の親戚・友好団体に配るというのだから、組員たちの負担もハンパない。悲喜こもごものヤクザのお中元の品々をご覧あれ.。

【スイーツ】

屈強でいかつい男たちが、そろってケーキやパフェを食っている姿は、あまり想像できないかもしれないが、実はヤクザ業界ではスイーツ好きが多い。

というのも、酒もタバコも禁じられた〝塀の中〟では、甘味だけが唯一の嗜好品であり、服役経験の長い者が出所する頃には、必ず依存症気味になってしまうという。

そんな親分や兄貴分に付き合ってスイーツを食べているうちに、若い衆たちも同様の味覚になってしまうのだ。

「それゆえ、お中元の際に有名店の高級スイーツを贈る組も、やっぱりあるんです。特に、その時期に流行中のお菓子は、金があっても〝数時間並ばないと買えない〟といった点で誠意が伝わるし、愛人などに配れば大喜びするのでポイントも高い。また、親分衆の中には、年中どら焼きやようかんばかり食べている方も多く、その大好物を贈る組も多いですね」(関西・40代)

こう話す彼の親分が愛するのはカステラ。あちこちの組が段ボール単位で送ってくるため、さすがに親分1人ではどれだけ食べても追いつかず、彼ら若い衆もカステラばかり食べているそうだ。

「代紋入り」のオリジナルボトル

【酒】

ビールや日本酒といえば、一般社会のお中元としても定番だが、無類の酒豪が名を連ねるヤクザ業界ではそれもなおさら。とはいえ、その辺のスーパーでギフトセットを購入するはずもなく、『魔王』や『森伊蔵』といった幻の銘酒を詰め合わせたり、ビンテージ物のワインを贈るのが彼らの常識。

最近は、オリジナルのラベルやボトルを作る業者が増えたこともあり、「代紋入り」などを贈る組もあるという。

「値段的にはたいした額ではないかもしれませんが、有名組織や有名親分から贈られたものについては例外。いただいた組は大喜びして、これみよがしに応接間の目立つ場所に飾りますよ。ホストやキャバ嬢の間では当たり前の〝ラインストーンで名前や店名(組織名)を飾ったギラギラのシャンパン〟も、親分衆の間では逆に目を引くようで、僕が親分に個人的に贈ったものを、今でも部屋に飾ってくれてるのでうれしいですね」(関東・40代)

ちなみに、そのシャンパンはただのラインストーンではなく高級なスワロフスキーを使用したため、「材料費だけで20万円かかった」というから強烈だ。

【ヤクザのお中元③に続く(#③を読む)】

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