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知られざるヤクザのお中元①庶民のカルピス的なド定場は「肉」

イラスト/ホセ・フランキー (C)週刊実話 無断転載禁止
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見栄を張るのがヤクザの世界。中元や歳暮といった盆暮の挨拶にかける額も桁違いだ。しかも、値が張るこだわりの逸品を、全国の親戚・友好団体に配るというのだから、組員たちの負担もハンパない。悲喜こもごものヤクザのお中元の品々をご覧あれ。

【高級肉】

おおよそ世間一般のイメージ通り、今も昔もヤクザの主食は肉。特に夏期のお中元は「若い衆たちに精をつけてほしい」といった願いも込めて、厳選されることが多いという。庶民のカルピス的なド定場なのだ。

「こういう贈り物には、組や己の力を見せつける意味もあるので、下手にハムなど贈ればいい笑いもの。やはり、松阪牛や神戸牛、飛騨牛といった高級肉が定番になるのですが、全国の親戚や友好団体などへ、かなりの個数を贈ることになりますからね。知っての通り近年はどこも台所事情が厳しく、うちに関しては組員全員から〝お中元緊急カンパ〟が集められました(笑)」(関東・40代)

人手不足の組では消費しきれない

【地元の名産品】

縄張りとして与えられた地元を愛し、そこに住むカタギ衆を大事にするのがヤクザとしての使命。

それゆえ北海道であれば新巻鮭、福岡であれば明太子など、特に地方都市に事務所を構える組織は、地元の特産品を贈るのも定番だ。

「嘘かまことか〝何百本に1本しか獲れない幻の明太子〟といった希少品を詰め合わせるのが、ヤクザらしい風潮ですね。ただ、それでもやはりモノによっては値段が張らないので、とりあえず〝量〟を増やすのですが、その量が半端じゃない。メロンなら数十個、米なら俵単位で送ってくる組もあり、事務所のデカい冷蔵庫にもまったく入りきれず、台所は段ボールの山で圧迫されていますよ」(九州・50代)

昔はどこの組も大所帯だったので、かなり大量でも夏の間に消費できたが、現在は業界全体が人手不足。

組員全員に配り、その家族間で食べてもまだまだ余ってしまい、「昔は喜んでいた嫁も、毎年毎年さすがに食い飽き、今では『もう、もらってくるな』と言われる」そうなので、あまりにも切ない。

【ヤクザのお中元②に続く(#②を読む)】

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