「ババア」「土下座」「提訴」…泉ピン子の“毒舌芸”が通用しなくなった本当の理由

“昭和の芸”は令和では通じない!?

「歯に衣着せぬ」は、いつから「歯止めのきかない」物言いに変わったのか。映画制作・芸能プロダクションの株式会社HumanPicturesは11月3日、女優・泉ピン子(79)に対し、前日2日に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したと公表した。

問題となったのは、10月23日に開かれた映画『AYUMI』『養父』のジャパンプレミアでの舞台挨拶だ。同社によると、泉は来場者に「ババア」などと発言したほか、出演者や関係者に対しても問題のある言動を繰り返し、登壇者が最終的に土下座する事態に至ったという。

泉は両作品に出演しているが、同社は一連の言動についてパワーハラスメントに当たり、得る重大な行為と判断したとしている。

なお、11月6日時点で泉本人や所属事務所側からの詳しい反論・説明は確認できておらず、今回の経緯については今後の司法手続きで争われることになる。

「パワハラです」にマネージャーが謝罪?

同社によると、泉の担当マネージャーに対しても「パワハラです」と抗議したところ、マネージャーから「失礼いたしました。申し訳ございません」と謝罪の連絡があったという。ただし、これは同社側の説明であり、泉本人が謝罪したわけではない。

HumanPictures社は、来場者や報道関係者からも多数の抗議が寄せられ、目撃者から状況を詳細に記した陳述書の提出も受けたと説明。今後、司法の場で事実関係を明らかにしていくとしている。

「下品な女は誰だ」から約50年の皮肉

ただ、そもそも泉ピン子の出発点は、まさに毒舌と下品さにあった。本人は、1975年に『テレビ三面記事 ウィークエンダー』で豚の交尾を解説したところ、「あの下品な女は誰だ」という抗議の電話が局に殺到し、それが全国に名を知られるきっかけになったと振り返っている。

以来、歯に衣着せぬ物言いで知られるようになり、女優としても『おしん』『渡る世間は鬼ばかり』などに出演。独特の存在感で茶の間の人気を集めてきた。それがコンプライアンスのうるさい令和の時代に入り、毒舌で売り出した人が、その言動を理由に訴えられる事態となったことは、まさに皮肉なめぐり合わせと言うほかない。

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