DeNAが申告敬遠した栗原より怖かった? 古巣を知る山本祐大が日本一を決めた「皮肉な結末」

昨日の友は今日の“絶対負けられない敵”だった…

プロ野球の日本シリーズは10月28日、福岡のみずほPayPayドームで第4戦が行われ、ソフトバンクがDeNAを4-2で下して4連勝。2年連続13度目の日本一を決めた。胴上げの中心にいたのは小久保裕紀監督だが、この夜の流れを引き寄せた功労者を挙げるなら、5月までDeNAのユニフォームを着ていた山本祐大捕手だろう。

古巣が選んだ「勝負を避ける」という判断が、結果として元正捕手の一打を呼び込む形になった。そんな皮肉が、4回の攻防に凝縮されていた。

「栗原を歩かせる」──DeNAベンチが選んだ勝負

初回に佐野恵太の2ランで先制を許したソフトバンクは、2点を追う4回、2死二塁の好機をつくった。打席には4番の栗原陵矢。ここでDeNAベンチは申告敬遠を選び、塁を一、二塁と埋めた。次に控えていたのが、この試合で5番に起用された山本である。

勝負を避けた栗原の後ろに元チームメートが待つのは、理屈の上では納得できる選択だった。ただ、結果論ながら、その選択が山本に痛打を許す形につながった。

元相棒・平良から放った145キロの直球

マウンドにいたのは、かつてDeNAでバッテリーを組んだ平良拳太郎。カウント1-2と追い込まれた山本は、4球目の145キロの直球を捉えた。打球は右翼線を破り、右翼手のダイビングキャッチも届かない。同点の2点適時三塁打である。三塁ベース上では両拳を握りしめ、雄たけびを上げたと報じられている。

続く柳田悠岐が中前へ勝ち越し打を放ち、ソフトバンクはこの回に一気に3点を奪って逆転。山本は6回にも左犠飛で追加点を挙げ、この試合で3打点をマークした。4試合すべてで先発マスクをかぶり、日本シリーズの優秀選手賞にも選ばれている。

「心を鬼にしてやれた」古巣撃破の本音

試合後、山本は古巣との対戦に「個人的な思いもあった」としながら、「心を鬼にしてやれた」と語ったと伝えられている。敬遠の可能性は想定していたという。その一方で、同点打を放った瞬間は声を上げるほど気持ちが高ぶったとも明かしている。

思い返されるのは、5月12日の電撃トレード会見だ。当時の山本は、新監督の相川亮二氏を「優勝させたい」とずっと思っていたと話し、最後まで携われないことをショックだと語っていた。その相川監督のチームを4連敗に追い込む側に回ったのだから、巡り合わせの妙というほかない。

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