3連勝したのに日本一を逃した阪神の悪夢…日本シリーズ“伝説の死闘”【後編】

⑨「ヤクルトvsオリックス」極寒の神戸で決した死闘
 全試合が1点差の緊迫、川端慎吾が流した涙(2021年)

2021年の日本シリーズは、高津臣吾監督率いる「東京ヤクルトスワローズ」と、中嶋聡監督率いる「オリックス・バファローズ」が激突した、近年最高峰と称される大熱戦だ。前年ともにリーグ最下位に沈んだ両チームが頂点を争うという劇的なシチュエーションで幕を開けた。

戦いは、全6試合中5試合が1点差、残る1試合も2点差という、歴史に類を見ない息詰まる大接戦となった。オリックスのエース・山本由伸とヤクルトの主砲・村上宗隆による力と力の真っ向勝負、マクガフと平野佳寿の両守護神を巡る終盤のドラマなど、1球ごとにスタジアムの空気が張り詰める。

運命の第6戦は、ほっともっとフィールド神戸での異例の寒空の下、延長12回に及ぶ総力戦へ。ヤクルトが王手をかけた息も凍る12回表、代打の神様・川端慎吾が放った渋い左前適時打が決勝点となった。最後は守護神が締め括り、ヤクルトが4勝2敗で20年ぶりの日本一に輝いた。

20代前半の若き才能たちの躍動と、ベテランの意地。コロナ禍の厳しいシーズンを戦い抜き、11月末の寒風の中で男たちが全てを出し切ったあの6日間は、新時代の名勝負としてファンの胸に深く刻まれている。

⑩「オリックスvsヤクルト」前年の雪辱を果たした劇的サヨナラ! 
 怪物・村上宗隆を封じた執念のタクト(2022年)

2022年の日本シリーズは、中嶋聡監督率いる「オリックス・バファローズ」と、高津臣吾監督率いる「東京ヤクルトスワローズ」が、2年連続で同じ顔合わせとなった。前年の敗北を糧に、オリックスが執念のリベンジを果たした、令和球史に残る激闘だ。

戦いはヤクルトの主砲・村上宗隆の圧倒的な存在感に対し、オリックスがどう立ち向かうかが焦点となった。第1戦をヤクルトが制し、第2戦は引き分け、第3戦もヤクルトが勝利。オリックスは初戦でエース・山本由伸が負傷降板する絶体絶命の危機に陥るが、ここから中嶋監督の神がかったタクトが冴え渡る。

流れを変えたのは第5戦、吉田正尚が放った劇的なサヨナラ2ラン本塁打だ。この一発で息を吹き返したオリックスは、山崎福也や宇田川優介ら強力リリーフ陣を惜しみなく注ぎ込む総力戦を展開。ヤクルト打線、そして三冠王・村上を徹底した内角攻めで封じ込め、怒涛の4連勝を飾った。

最終第7戦、5対4の僅差を守り抜き、オリックスが26年ぶりの日本一を奪還。2年越しで紡がれた両雄のプライドのぶつかり合いは、短期決戦における「流れ」の恐ろしさと、王座奪還に懸けた男たちの執念を証明する最高峰のドラマとなった。

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