ロブチェン三冠へ王手も…菊花賞3000mに潜む“人気馬の落とし穴”

菊花賞への注目は高まるばかり!

史上9頭目となる牡馬クラシック三冠の偉業が、いよいよ目前に迫ってきた。10月25日(日)、京都競馬場で第87回菊花賞(GⅠ・芝3000メートル)が行われる。皐月賞と日本ダービーを制した二冠馬ロブチェン(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が、最後の一冠に挑む舞台だ。

2020年のコントレイル以来となる三冠馬の誕生を待ちわびるファンは多く、世間の空気は「勝って当然」へと傾きつつある。だが、競馬の世界でこの感覚ほど危ういものはない。期待が膨らむからこそ、足をすくわれかねないのだ。

逃げても差しても勝てる万能型

ロブチェンの最大の武器は、脚質を問わない自在性にある。昨年のホープフルSを制した実績馬は、今春の皐月賞でまさかの先頭に立つと、前半1000メートル58秒9の激流を刻みながら押し切り、レコードタイムで完勝した。

ところが日本ダービーでは一転、8枠17番から控える競馬で脚をため、直線で鋭く伸びてゴール前できっちり2着馬を捉えている。これだけの芸当を見せられては、「死角なし」の声が上がるのも無理はない。

秋初戦は鼻差の薄氷勝ち

だが、秋の初戦となった9月21日の神戸新聞杯(GⅡ)は、決して楽な勝利ではなかった。1番人気に応えたものの、内から強襲した3番人気アルトラムスをわずか鼻差で退けるのがやっとだった。

レースは前半1000メートルが61秒9のスローペース。杉山晴紀調教師は「負けるならこのパターン」と思ったと明かしている。さらに、休み明けで増えると見込んでいた馬体重は、逆に4キロ減っていた。杉山氏はこれを誤算と認め、本番までに上積みを図る構えだ。鼻差の勝利は勝負強さの証明であると同時に、紙一重だったことの裏返しでもある。

600メートル延びる未知の領域

最大の焦点は、やはり距離だ。ロブチェンの主要レースでの最長は、ダービーと神戸新聞杯の2400メートル。菊花賞では一気に600メートルも延びる。ほとんどの3歳馬にとって、3000メートルは初めての距離である。

試されるのはスタミナと、それ以上に折り合いだ。ロブチェンは今年初戦の共同通信杯(3着)で、気負いからゲートに突進し、道中も行きたがる面を見せた。神戸新聞杯では問題なかったが、長丁場では序盤の小さな力みが終盤の失速に直結しかねない。

松山弘平騎手が返し馬での緩さやゲートの反応を課題に挙げているのも頷ける。もっとも、父ワールドプレミアは2019年の菊花賞馬で、血統的には距離をこなせるとの見方もある。

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