【広島】矢野・前川の書類送検で深まる「ゾンビたばこ」の激震…新井監督続投の裏に潜む球団経営の苦境と昭和球界に学ぶ危機管理の教訓

羽月隆太郎


広島東洋カープの矢野雅哉選手(27)と前川誠太選手(23)が9月25日、「ゾンビたばこ」(指定薬物・エトミデート)に絡み、広島県警に医薬品医療機器法違反容疑で書類送検された。前川選手は指定薬物の所持、矢野選手は譲り受けた疑い。ゾンビたばこを巡っては、広島の羽月隆太郎元選手が逮捕・起訴され、すでに有罪判決を受けている。

今や、広島は薬物問題で球団の存在が危惧されている。来季に向けて再建する次期監督選びでさえ難航した。結局は、新井貴浩監督(49)を続投させるしかなかったのが実情だ。

「3年連続Bクラスに低迷した新井は再三、監督辞任を申し入れたが、フロントは受け取らなかった。11月末で退任する榊原定征コミッショナーも頭を痛めていましたよ。広島の精神的支柱である"男気"黒田博樹にしても、この状況下で監督を引き受けられない。もう一つ、広島が新井を続投させたのは金ですよ。ゾンビたばこ事件で観客も減少しましたからね」(球界関係者)

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一連の事件と酒席写真の流出…球団を揺るがす「ゾンビたばこ」の影


今回の一連の事件では、羽月元選手にエトミデートを譲り渡した男が同罪で有罪判決を受けた。男が羽月、矢野氏ら当時の広島選手と酒席を共にする写真も『FLASH』に掲載された。

私の見解は、昔の方がその筋との付き合いや飲む機会は当たり前のようにあった。清原和博が西武ライオンズに入団した1年目。広島でのオールスター戦前夜、広島OBが経営するスナックに山本浩二、田淵幸一、山田久志、福本豊、秋山幸二、清原ら錚々たるメンバーが集結した。大阪スポニチ記者の私も同席した。

昭和のスターたちが集った伝説の一夜…山本浩二が見せた「即座の危機管理」


若手の秋山が口紅をつけて女装して踊り、清原が豪快なイッキ飲みをして大いに盛り上がった。スポンサー筋もその場で記念写真を撮っていたが、山本浩二が飲み会直後、すべてフィルムを回収したのだ。

筆者が言いたいのは、昭和の時代の球界は先輩が若い選手らを守っていた。要するに、スキャンダルが発覚してからでは、すでに遅いということだ。

薬物事件は収まらない。

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吉見健明

1946年生まれ。スポーツニッポン新聞社大阪本社報道部(プロ野球担当&副部長)を経てフリーに。法政一高で田淵幸一と正捕手を争い、法大野球部では田淵、山本浩二らと苦楽を共にした。スポニチ時代は“南海・野村監督解任”などスクープを連発した名物記者。『参謀』(森繁和著、講談社)プロデュース。著書多数。