高市早苗首相に「財政規律派の乱」…消費税1%で小渕優子氏らが反旗

小渕優子氏が異論

その一人として注目されたのが、小渕恵三元首相の娘である小渕優子氏だ。

小渕氏は自民党税制調査会のインナーと呼ばれる幹部会合を辞任した。食料品の消費税率1%案をめぐっては、「この消費税を作るためにどれだけの先人の苦労があって現在があるのか、それを考えたときに、たやすく消費税減税なんて言ってはいけない」と語っている。

消費税は1989年、竹下登内閣で3%として導入された。当時、小渕恵三氏は官房長官を務めていた。

「小渕氏は消費税をめぐる議論の重さを意識しているのでしょう。高市政権の積極財政路線とは、距離があるとみられています」(政治担当記者)

なお、10月6日には税調インナーの新体制が発足。小渕氏と、国土交通相に就任した井林辰憲氏に代わり、松本洋平氏と古賀篤氏が新たに起用された。税調では今後、年末の税制改正大綱に向け、食料品の消費税減税や新たな給付制度の財源などが議論される。

歴代首相も規律重視

小渕氏だけではない。

石破茂前首相、岸田文雄元首相、菅義偉元首相ら、財政規律を重視してきた歴代首相経験者もいる。ただし、それぞれの財政政策には違いがあり、全員が一体となって高市首相に対抗しているとまではいえない。

さらに9月の内閣改造では林芳正氏が総務相を外れた一方、旧二階派の細野豪志氏が復興相に起用された。

また、参院幹事長には石井準一氏に代わって青木一彦氏が就任。自民党内では人事の変化も続いているが、こうした動きが財政政策をめぐる対立とどこまで結びつくのかは、今後の議論を見極める必要がありそうだ。

積極財政派も反撃

もちろん、高市首相を支える積極財政派も黙ってはいない。

高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、食料品の消費税1%への引き下げについても、2027年4月からの実施を目指している。

10月9日に関連法案が国会に提出されたことで、今後は実施時期や財源の確保策、給付制度との組み合わせなどをめぐり、政府・与党と野党との攻防が本格化する見通しだ。