「日本の科学力はスゴい」は本当か? ノーベル賞受賞者が警鐘を鳴らす“評価の落とし穴”

 

政府の研究費は「3.7兆円」に増えたが…

では、お金が足りないのかといえば、単純にそうとも言い切れない。政府が負担する研究開発費は、2020年の2.7兆円から2024年には3.7兆円へと増えた。企業や大学の研究開発費も2020年代に入って増加傾向にある。それでも、注目論文数の国際順位は現在13位にとどまっている。では、何が足りないのか。そのヒントとして、ノーベル賞受賞者たちが挙げているのが、研究の「評価の仕方」である。

受賞者が警鐘を鳴らす「短期KPI」の限界

自民党が公式サイトで伝えた会合の報告によると、昨年受賞した坂口志文氏と北川進氏は、日本の学術研究の成果が量・質ともに低下していると指摘し、評価制度や研究資金、基盤的経費の不足などを原因に挙げたという。

とりわけ北川氏は、短期的な数値目標(KPI)による評価の限界に触れ、成果として現れる前の目に見えない研究期間、いわば「伏流性」を適切に評価する必要性を訴えたと報じられている。短期的な成果を重視する評価では、芽が出る前の研究が適切に評価されないのではないか、という問題提起だ。

問われるのは資金の「額」か「使い方」か

研究費も研究者の数も世界3位でありながら、注目論文の順位は13位にとどまる。このねじれ具合は、予算の「額」だけでは説明がつかないことを示唆しているようにも見える。お金をどう配り、どんな物差しで研究を評価するのか。受賞の喜びに浸るだけでなく、その問いにも目を向けたい。

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