硤合憲三氏で日本人31人目! ノーベル賞ラッシュの裏にあった「20〜30年前の研究」という現実

論文数「世界2位」から5位へ…成績表の“今”は

では、いまの成績表はどうなっているのか。JBpressに寄稿した慶應義塾大学の齊藤康弘特任准教授によると、日本の論文数は2001〜2003年には米国に次ぐ世界2位だったが、2021〜2023年には5位まで後退した。さらに深刻なのが質の指標で、注目度の高い上位10%論文の順位は、20年前の4位から13位まで落ち込んだという。

その一方で、2023年には英科学誌『ネイチャー』が、「日本の研究はもはや世界クラスではない」と題した記事を掲載している。受賞の歓声が上がる一方で、世界の科学界からは「落第点」に近い評価も突きつけられているわけだ。

海外が称える「長期主義の勝利」の皮肉

皮肉なのは、海外からの評価である。香港に本部を置く星島日報は、日本の受賞ラッシュを「長期主義の勝利」と評した。安定した国家戦略や自由な研究環境、職人気質などが背景にあるという見立てだ。

だが、称賛されているのは、あくまで過去の「長期主義」である。いまの日本が、同じだけ腰を据えて研究に向き合えているのかといえば、先の順位が示す現実は決して楽観できない。昔の貯金で称賛を浴び、足元の貯金は目減りしている――。そんな見方が出てきても不思議ではないだろう。

30年後の日本にノーベル賞は残るのか?

硤合氏は1995年の成果で、2026年の栄誉に輝いた。ならば、2026年に生まれる研究は、2050年代に評価されることになる。その頃、日本人の名前は、受賞者リストにどれだけ並んでいるのだろうか。

歓喜の陰で静かに問われているのは、30年後の日本の「本気度」なのかもしれない。

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