【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#12 フランス発・異色ホラー『ハウス・オブ・VHS』——ゴーティエ・カズナーヴ監督が語る“偶然から生まれた恐怖”




◆ VHSの家を離れて、ゴーティエ・カズナーヴの別の世界を訪れる


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日本では『ハウス・オブ・VHS』を含めて現在マルトー・フィルムズの映画3本がストリーミング・プラットフォームで配信されている。『ノスフェラトゥ・ドットコム』はジュリアン・デーヴ監督によるファウンド・フッテージ映画。廃工場を舞台に『ハウス・オブ・VHS』と共通した軽妙な雰囲気が突然恐怖に変わる。そしてロマン・セリル監督のフィルム・ノワール調のスリラー『二つの顔を持つ少女』だ。

余談だが、筆者が不定期に開催している世界の奇妙な短編映画祭VeerFestの第2回ではゴーティエのタイムトラベルを題材とした未発表作品『クロノファガス(Chronophagous)』(2011年)を上映した。観客には思いのほか好意を持って受け入れて頂けたように思う。

◆ 命をかけても作ってみせる!『シャーロック・ホームズ対フランケンシュタイン』への深い情熱!


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「『シャーロック・ホームズ対フランケンシュタイン』は、2009年に書き始め、幾度も改訂を重ねました。2012年からイギリスのパークランド・ピクチャーズと共同で企画を進め、2015年から2016年にかけクラウドファンディングで幾つかのシーンを撮影しましたが、予算がまとまらず実現しませんでした。しかし、いつか必ず実現させます。たとえすべてを賭けることになっても実現させたいと思っています」。

その他、近日中に日の目を見る可能性のあるマルトー・フィルムズのプロジェクトとしては、ロマン・セリル監督によるアドベンチャーホラー『Curse of the Musketeers(三銃士の呪い)』、ベルギーの監督、ジャン=クロード・モルナール(Jean-Claude Mornard)による『L'art dans le sang(血の中の芸術)』、そしてサメ映画ファン待望の『Ninja Sharkbusters in Paris(パリの忍者シャーク・バスターズ)』などが待機中だ!

◆ 史上最悪の映画をフランスに拡散するBZZビデオとは?


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さて、ゴーティエ監督にはもう一つの顔がある。大幅にクオリティの低い外国のインディーズ・ジャンル映画を配給してフランスに紹介するという、文化的に誰かが必ずやらねばならない役割である。ゴーティエ監督率いるBZZビデオ(BZZ Video)について語ってもらった。

「BZZビデオは、マルトー・フィルムズの配給およびサービス部門です。2018年から『プレデター・プラネット』や『インクレディブル・バルク』(この作品は『史上最悪の映画』というキャッチコピーで販売)といった、ちょっと変わったZ級映画や『切り裂きジャック 復活』、『デッドリー・プレイ/地獄のプラトーン』、『エアロビクス殺人事件』のような、よりクラシックなジャンル映画を配給してきました」。

最後に『ハウス・オブ・VHS』の続編の可能性はあるだろうか?ゴーティエとしては『ハウス・オブ・VHS 2』に乗り気ではないそうだ。

「全く別の場所に行ってキャストも一新しない限り、どんな話になるのか本当に分かりません。イザベル・マッキャン(本作の主演)は復帰を希望するかもしれませんが、真剣には検討していません。もし自分の過去作をリメイクするとしたら、2000年に作った『Comme une tombe』や『Freudy』(フロイトが精神分析を使って人々の夢に入り込み、精神的な恐怖を振りまく作品)などをリメイクしたいですね」。

フレンチ・ホラーの異端児――ゴーティエ・カズナーヴ。
血ではなく違和感で侵食してくるこの監督の作品は、従来のホラー映画に飽きた観客ほど深く刺さるはずだ。

“何も起きていないはずなのに不安になる”。
そんな唯一無二の体験を求めるなら、『ハウス・オブ・VHS』は間違いなくチェックしておくべき一本だ!

★BZZ ビデオ公式サイト

★マルトー・フィルムズ 公式サイト

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インタビュー・本文/沙さ綺ゆがみ