後見役か、乗っ取りか…金正恩氏に万一の時、叔母・金与正氏と姪ジュエ氏に権力闘争の恐れ

後継に権力闘争勃発か…

北朝鮮の金正恩総書記の実妹である金与正労働党中央委員会総務部長は最近、対米&対韓政策を巡る重要談話を相次いで発表し、軍事・外交分野でも強い存在感を示している。

IAEA決議と演習に連日談話

「9月17日にオーストリアのウィーンで開催された国際原子力機関(IAEA)年次総会での北朝鮮に対する批判に与正氏は談話を発表した。与正氏は『核保有国と認めない』というIAEA決議に、『干渉する資格はない』と言ったばかりか、我が国の核戦力は、『国際的なならず者たちの無謀な行為を抑止することに貢献している』とIAEA委員たちの口をあんぐりさせたのです。翌18日には米国主導の 『パシフィック・バンガード2026』についても『戦争ごっこをやめよ』と舌鋒鋭く反発。続く19日も、またまたIAEAの決議に『偏った視点と二重基準だ』と、一介の党部長職にすぎない立場をわきまえない発言を連発しています」(国際ジャーナリスト)

「事実上のナンバー2」は本当か

与正氏を正恩氏に次ぐ「事実上のナンバー2」と見る向きは国外で根強い。しかし、その立場は果たしてナンバー2と言えるのか微妙だ。

「北朝鮮の権力構造は中国のように、最高指導者の下に明確な序列『2位』『3位』が並ぶピラミッド型ではなく、党や軍、政府などの各権力機関が、最高指導者ただ1人を頂点として並列的に置かれる構造です。与正氏は、最高指導者の指示を遂行する補佐的な存在であることは間違いありませんが、同時に並列幹部から監視される対象でもある。そもそも、最高指導者とは別の権力集団を構成する『独立したナンバー2』は、北朝鮮の体制では許されていないのです」(外交関係者)

ただ、「独立したナンバー2は過去2人いた」と、この外交関係者は言う。1人は金日成国家主席(出生名・金成柱)の実弟、金英柱で、彼は北朝鮮の独裁体制の基礎を作った人物として知られるが、甥(正恩氏の父親)の金正日総書記との権力闘争に敗れ、すべての権力を剥奪され地方に追放された。

もう1人は正恩氏の叔父で、2013年12月に国家転覆陰謀行為により処刑された張成沢氏だ。

「’23年に韓国へ亡命した元駐キューバ北朝鮮大使館政務参事の李日奎氏は韓国のYouTube番組で、『北朝鮮に権力2位がいるとすれば、張成沢のようになる』と、悲惨な末路を予言しています」(同)

もっとも、張氏の場合は、正恩氏の正妻である李雪主夫人が普天堡電子楽団内「牡丹峰」重唱組の歌手だった時代、張氏が雪主夫人を“食べた”ことで、正恩氏から猛烈な怒りを買ったからだといわれる。

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