ラーメン店に居酒屋…“町の馴染みの店”が次々倒産 食材高騰・台風・減税除外の三重苦

減税の線引きに悲鳴!(画像はAIで生成したイメージ画像は)

町の飲食店の倒産が相次いでいる。政府が来年4月から2年間限定で食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を決める一方、「外食」は対象外(10%維持)となったことから、中小飲食店からは「さらなる客離れにつながる」と強い反発の声が高まっている。

8月の飲食業倒産、居酒屋は前年同月の4倍

東京商工リサーチによると、8月の「飲食業」の倒産は80件(前年同月比42.8%増)で、8月としては過去30年で最多となった。1~8月の累計も701件(前年同期比8.8%増)に上り、年間最多だった前年の1002件を上回るペースで推移している。

8月は資本金別で個人企業他が30件で前年同月比100%増に上り、全体の約4割を占めた。業種別では食堂やレストランが18件で100%増、居酒屋16件300%増、ラーメン店8件約167%増、日本料理店6件200%増と身近な業態での倒産が目立っている。

食材高騰に台風25号の野菜被害が追い打ち

「背景には食材や光熱費、人件費の上昇で価格転嫁が難しい小規模店舗ほど負担が重くなっていることが挙げられます。物価高の長期化で固定費の上振れによる資金繰りの影響に加え、全国的に大雨が長引いたことから、農作物に甚大な被害も出た。10月には野菜の高騰は必至で、さらに倒産が増えることが予想されます」(食品アナリスト)

日本列島は8月下旬から大雨続き。11年ぶりの5連休になったシルバーウイークも台風25号が関東圏を襲い、秋収穫期の野菜畑が全滅した地域もある。

「浸水被害の大きかった千葉県の農家では、8月13日の豪雨でニンジンの種が流され、蒔き直したばかり。そこに今回の度重なる台風25号による水没…。ネギも約40%の被害が出ています。結果、スーパーではその他の野菜類も軒並み高くなっている。“フルーツ王国”の山形県では、桃やブドウに被害が出ています。食材費の高騰で、町の飲食店は追い詰められていますよ」(消費生活ライター)

外食だけ10%据え置き…業界から反発

物価高が続き小規模の飲食店の経営が悪化する中、政府は9月15日、来年4月から2年間に限り飲食料品の消費税を1%にすることを盛り込んだ「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」を閣議決定した。対象は外食を除く飲食料品で、店内飲食は10%のまま据え置かれる。実施に必要な関連法案はまだ国会で成立しておらず、政府は今後提出する方針だ。消費者間では家計負担軽減への期待が高まっているが、飲食業界からは「消費税1%は高市政権の飲食店潰し」という反発の声が上がっている。

中華、うどん、そば、寿司、洋食、焼肉…町に根付いたなじみの飲食店にとっては、まさに死活問題だ。

【関連】布施博、はしのえみの事務所も破産…SNSの台頭、コンプラ強化で加速する「芸能プロ倒産ラッシュ」の裏側
【関連】麻辣湯ブームが中華料理業界を救った 倒産減少に見る「ガチ中華」の底上げ効果